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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第17話 「え? 突撃!?」
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「勇猛なる董卓軍の兵よ! 敵の将は自分ひとりが逃げるために仲間を裏切って捨て駒にした! こんなやつを許すことなんて、あたしにはできない! 全軍、出てくる黄巾の雑兵を受け流しつつ、城へ突撃する! あたしに続けぇ!」
「「「オオオオッ!」」」

 あたしは足の内側に力を入れて絞める。
 麒麟は我が意を得たり、と嘶いて走り出した。

「黄巾の兵よ! 無駄に死にたくなければ道を開けろ! この錦馬超の邪魔をするやつは、死んでもしらねえぞ!」

 あたしは、声を張り上げつつ、槍を突き出した。




  ―― 盾二 side ――




「急げ、馬正!」
「ハッ!」

 俺と馬正は、本陣から東回りで北門へ向かっている。
 本陣から予備の馬を借りて、翠の部隊の後ろを駆け抜けていた。

「どうやら、翠は命令どおり動いているようだな」

 西は、あの周瑜がいる。
 周瑜ならば、こちらの意図を間違いなく読んで行動してくれるはずだ。
 だから、躊躇するなら翠のほうか、と思って東回りを選んだが……

「馬超どのとて一軍の将です。しかも、彼女は大器と私は見ました。彼女でしたら大丈夫でしょう」

 馬正……意外と人を見る眼があるな。
 どうやら、恨みで曇っていた眼が晴れたらしい。

 歴史書の記述じゃパッとしない印象だったが……存外、優秀な武将のようだ。

「当然! 錦馬超の名は伊達じゃねぇだろ! それより急ぐぞ、桃香たちが心配だ!」

 桃香の引きこもり、愛紗と鈴々の不調。
 その為、軍の再編が一番遅れている場所だ。

 袁術が出発したのは今日の朝方。
 おそらくは、まだ数十里程度しか進んでいないはず。
 だからこそ安全だとたかをくくったのだが……甘かった。

(失策だ……くそ!)

 今日一日、散々振り回された挙句、遅々として進まなかった仕事のツケ……
 だが、こんなところで三人を失うわけにはいかない!

(無事でいてくれよ……)

 そう祈りつつ、俺は馬を走らせた。




  ―― 関羽 side ――




「ぐっ……ひるむな! ただの夜襲に過ぎん!」

 私はそう叫びつつ、突っ込んでくる黄巾兵を愛刀でなぎ払う。

(夜襲……のはずだ。だが、なんだ? 一向に退こうとしない。これではまるで――)

 そう考える間もなく、黄巾兵が三人がかりでこちらを斬りつけて来る。

「ぐっ……なめるなっ!」
「ぐっ!」
「げっ!」
「ゴハッ!」

 私が三人の剣を巧みに捌いて、青龍偃月刀の柄で叩き伏せる。

「はあ、はあ……くっ!」

 たった数人、叩き伏せた程度で息を荒げるなど……
 私は自身の不調を自覚せざるを得ない。


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