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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第17話 「え? 突撃!?」
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  ―― 張遼 side 宛 ――




「で、伝令! 南の大手門より、敵の夜襲です!」
「なんやと!」

 その報告に、慌てて天幕を出る。
 日が暮れてからすでに数刻とはいえ、まだまだ宵の口。

 夜襲を仕掛けるにしても早すぎるんとちゃうか!?

「すぐに迎撃や! 休んでいる奴は残らずたたき起こすんやで! 馬超と盾二、それに孫策に伝令! 各個で応戦しつつ、状況を知らせぇ!」
「「「ハッ!」」」

 ウチの言葉を受けて、本陣の伝令が各部隊に散ってゆく。

「……にしても、今動いたんはなんでや?」

 確かに数万いた袁術軍がいなくなって、数が減ったんはわかる。
 しかし、だからといって……篭城もせずに、二万で三万の相手ができるわけがない。

「いや、だからこそ気勢を削ぐため、か……?」

 ここから見える宛城の正門は、大きく開け放たれている。
 そこから黄巾軍がわらわらと出てきては、前曲の部隊と交戦を始めた。
 
「……?」

 ……妙や。
 奇襲にしては動きが大きすぎる。

 奇襲するならばもっと数も少なく、迅速に、大手門なんぞ開け放つわけが――

「伝令! 西門から夜襲部隊が出てきました! 孫策軍は迎撃するとの事!」
「伝令! 東門からも夜襲部隊が来襲! 馬超隊が迎撃を行います!」
「……なんやと?」

 東と西、両方からも打って出るやと!?
 まさか、これは……

「霞さん!」

 振り向けば、そこには朱里と雛里がおった。

「すぐに全部隊に宛城に突入させてください!」
「なんやて!?」

 正気か!?
 敵は夜襲を仕掛けてきとるとはいえ、数はまだまだおるはずや。
 であれば中にいる南陽黄巾軍は罠を仕掛けとるはず……

「これは夜襲なんかじゃありません……たぶん、向こうの将軍は逃げるつもりです」
「にげ……」

 雛里の言葉に唖然とする。
 逃げるため?
 どういうこっちゃ。

「相手の将軍は、黄巾の雑兵を囮に自分だけ逃げるつもりなんです! おそらくは、こちらの包囲の一番数が少なく脆い、北門から!」
「北門……桃香達か!」

 あ、あかん!
 あそこはまだ編成が完全に終わっとらへんのや!

 北には洛陽がある。
 しかも撤収したとはいえ、そう遠くない場所にはまだ袁術軍もおるはずや。
 そやから、まさかそちらのほうへ打って出るとは思わんかったんやが……

「なら、北門へ援軍……」
「今から宛城を迂回して、北門へ援軍を出しても間に合いません! それより開け放たれた門から宛城を三方より襲撃して、中から北へ抜けたほうが早いです!」

 し、しかし、交戦しとったら間違いなく遅れが……

「北門への援
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