第16話
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た一夏をも叩こうとした矢先に織斑先生が制止。
先生の鶴の一声により、月末のトーナメントまで一切の私闘が禁止になった、との事。
流れを聞いて、先のゼロとの戦いを否応なく思い出さされた。
ボーデヴィッヒがここの生徒に不快感を抱いているのは知っているが、今回はどう考えてもやり過ぎ、異常だ。
事態が事態なので、特訓はお流れ、オルコットと凰も俺と同じくトーナメントリタイアとなった。
一夏達はオルコット達を見舞いに医務室へ、俺は、誰もいない現場を一人見ていた。
オルコット達の気持ちを考えれば、一夏に見舞ってもらった方が嬉しいだろう、そう考え、一夏の誘いを固辞した。
「……俺には分からないよ、ボーデヴィッヒ。そんな無意味な事をする理由が…」
呟いた言葉が無人のアリーナに消えていく。
「少なくとも、織斑先生は矛を交えた相手に追い打ちなんて教えないのに…」
「…そうだ、丹下智春。教官はそんな事は教えなかった」
後ろから、ボーデヴィッヒの声が響いた。振り向けば、ボーデヴィッヒが腕をくんで立っている。
「少々私も頭に血が上っていたのかもしれん。しかし、教官のあの弟を見ているとどうも、な」
「…そうか。トーナメントで、一夏と戦える。そこで、確かめてみると良い。でも気を付けろよ?一夏は……」
確信に近い予想を、ボーデヴィッヒに告げる。怪訝そうに聞いていたボーデヴィッヒは、次の瞬間には大笑いしていた。
「中々愉快な冗談だ。良いだろう、その時を楽しみにしていよう!」
とても愉快そうに、ボーデヴィッヒは銀髪を揺らし、アリーナから出ていった。
「きっとそうなるよ…、ボーデヴィッヒ……」
呟いた言葉は、やはりアリーナに消えていった。
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部屋に戻ると、一夏と、シャルルが待っていた。
「…?どうしたシャルル、こんな時間に?」
「その、一夏だけに伝えるのも何かと思って…、実は、僕…、」
「女?」
ありきたりだな。無いだろう。
「うん…、そう、なんだ…」
当たってた。少しビックリ。
「ま、性別がどうだろうとシャルルはシャルルさ。変わらんよ」
元々シャルルとはよく話をする程度で、一夏ほど距離は近くない。
故に、シャルルが男だろうが女だろうが、対応に大きな差はない。
「い、色々理由はあるんだよ!?そんな軽く流されても!」
「なら言おう。それがどうした?」
「え?えええ?」
「背後にどんな訳があっても、シャルルは今俺と仲良くしてくれる、それで良いじゃないか」
それに、天然たらしの一夏君が側に居るのだ。俺がどうこうしなくてもなんの問題もない。
「な?トモなら気にしないって、言ったろ?」
隣で見ていた一夏
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