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ハイスクールD×D〜まれびと〜
少年期 始まりの第一話 〜初めての戦闘のお話〜 後編
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り、向上心を持たせる。
それがこの模擬戦の裏の顔の一つでもあるのだ。
「はっ目が霞むし、吐きそうだし、体の中はグチャグチャだ。でも倒れる理由にはなんねぇ。
俺は負けん! そう約束したし、俺の信念が俺が折れることを許さねえ!」
面白い、こんな根性持ってる奴は初めてだ。
洗礼を受けた者たちは、その自尊心を折られ、大半は潰れてそこそこの能力者になって、その成長は停滞する。
おれもそう言う奴になりかけたし、今村のために戦っている奴らのほとんどが折れたまま立ち上がれないやつらだ。
天才。
それが俺の頭によぎった。
本当に面白い、是が非でも折ってやらなきゃならないだろう。
折れてそのままならばそこまでの奴だが、もし立ち上がることができたならコイツはもっと強くなれる。


side out

戦闘経験において劣る。
身体能力において劣る。
能力の技術において劣る。
そもそも研鑽した年月に劣る。
いかに転生したとしても、その身体能力は八歳のものだ。
六つも年上の十四歳のやつにそうそう勝てるもんじゃない。
俺にあるアドバンテージは人生経験と知識くらいだ。
戦いを生業にしてきたやつとは鍛えた年月が違う。
前世で格闘技習っていたわけでもない俺は、この世界に転生してきてから基礎能力の向上しかしてこなかった。
それでもやはり年齢による差は大きい。
体格が全然違う。
小学一年生と中学二年生の喧嘩は中学生が勝つのが当たり前だ。
これはそういった戦いなのだと自覚した。
だがそれが何だ。
憧れた存在はこんなことで諦める存在じゃない。
―――信念は、炎にも似ている
不屈。
闘志を燃やせ、燃え尽きるほどに。
「ォラァ!」
「お返しィイイ」
拳を打ち付け合う。
奴は振動を載せて、俺は信念(ほのお)を乗せて殴り合う。
俺の体は炎で出来ている。
振動が効くはずないじゃないか!
俺の能力は肉体を転化するほどの能力じゃない。
単なる思い込みだ。
現に拳は砕けている。
それでも打つ。
「オラオラオラオラオラァッ!」
「無駄無駄ァ」
JOJOとは程遠いラッシュの打ち合い。
「―――クッソ」
負けたのは俺だった。


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