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恋姫〜如水伝〜
十四話
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言われれば、無いとしか考えられない。となれば、この情報は真実味を帯びていると言う事になる。一方で、劉備らのその施政に対し、街の父老らは好意的であると言う事が確かだとわかった、その方面から見れば真実に近い。だが、如水はそれはおそらく前任の者が、重税を課していた事が大方の理由だとうと推測した。その事はとるに足らない理由だとしても、現在、地下の者から慕われている為政者はこの大陸では少ないその事を考えると今後、脅威となるかもしれない。
現時点では劉備の判断に困る為、如水は一定の観察を続ける事にした。

そしてもう一つ興味のあるのは朝廷の動きだった。

黄巾の乱の終わった後、官軍の将軍、何進と宦官達との対立が激化していった。特に、何進は今回の遠征で、曹操に功を独占された為、何進の実力を疑う声が出ており、異母妹の皇后もその言葉を聞き、その為、擁護出来ず、朝廷内での求心力が下がり、孤立しているらしい。しかし、以前、何進が禁軍の大将であり、宦官も表立って動けないらしく、何進の周りの者を仲間にしていき何進の勢力を崩している様だった。

その報せを知った如水は、朝廷はしばらく内部抗争に明け暮れ、おそらく大きく動かないだろうと思った。そして、いずれ、窮したどちらかの勢力側が有力な外部の諸侯を頼り、上洛させ、それを裏で操る。その時に再び世は荒れるだろうと思った。

その事について、一つの疑問を持ち、一度如水は華琳に直接尋ねてみた。
「私が上洛するのかですって、馬鹿を言わないでよ。何で、私がそんな面倒な事引き受けるのよ。確かに私の祖父は何代か前に大長秋だったわ、当然、世間から見て私は宦官派よ、それに、今回の行賞は宦官連中が私に優位に運んでくれたわ。宦官が私を利用しようとする事は不思議では無いわ、でも、そんな面倒な事より、如何考えても、今は地盤固めが優先よ、今、言われたとおり上洛すれば、間違いなく、私に敵対する連中が増えるわ、後々潰すにしても、わざわざ好んで汚名を着る必要なんか無いわよ」
そう言って華琳は如水の疑問を否定した。如水としても同意見だった為、異論はなかった。

如水としては、それまでにまず第一に、曹操の領内の富国強兵を図り地盤を整える事を目的とし、第二に凪、真桜、沙和の三人を将として育てる事。そして、最後に開発した兵器をいずれ実戦で投入できる様にする事を目的とした。


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