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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第25話 『クラス対抗戦』 前編
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んな意識が少女の心の中にはあった。

「束さんが知ってる限りで、キミの知りたいことを教えてあげる――分からないんじゃないかな? 自分が理解できていた最初の目的と、そしてさっきの頭痛で少し思い出したんでしょ? 一部の記憶を」
「……肯定です」
「うん、だろうね――それから多分一番重要な事。束さんはね、他の有象無象には興味は無いんだ、だけど……キミはその有象無象ではなくて、少なくとも束さんの大事な存在だって事を教えておいてあげる」
「何を、言って」

篠ノ之束は少女の正面に立っていたが、そう言うとクスリとどことなく嬉しそうで、だけど悲しげな笑みを浮かべるとISを纏う少女に対して更に歩み寄り言葉を続けた

「――キミは、自分のことを機械だと、マシーンだと思ってるね? 今もそう思うかな?」
「……肯定です。記憶と情報が戻ってきて、自分で思考した結果、『私』は人間かもしれません。ですが――命令に従わなければならないという使命がある以上、人間であってもマシーンでもあります」
「でも、キミはその命令を下したのが、そうだね、例えるなら機械に対してそうプログラムしたのが誰か分からないんじゃないかな?」
「……肯定です」
「――やっぱりね」

『じゃあさ』と篠ノ之束は少女に対して言うと、少女に対して手を差し伸べる――そして、言葉を放った。

「束さんからの提案というか、お願いだね。 束さんがマスターになってあげる。ううん、ならせて欲しいんだ。 束さんには責任がある、そして少なくとも――その責任と個人的な感情だけは、束さんは何があっても枉げない。キミはきっと、覚えてないかもしれない。だけど、束さんはちゃんと覚えてるから。だからね、『私』に罪滅ぼしをさせて欲しいんだ」

何を言っているのだ、まるで篠ノ之束博士は、己についてよく知っているかのように言っている――わからない。その理由がわからない。そう少女は、自分の中で疑問すると同時に、何度目になるのか、また頭痛が自分を襲う。

己の記憶があまりにも欠落していて、それがどうしてか理解できないと少女は判断した。
だが少なくとも――

篠ノ之束という人間は敵ではない。
機械ではなく人としての自分の心が、そう言っているのを少女は理解できた。
少女の中で己の目的が1つ追加される。それは……記憶を取り戻すということ。
自分の目的は『あの機体と搭乗者の確保』だ。それは変わらない。
だが、人として考えた場合記憶と他の情報が欠落しすぎている。
何故、自分は目標を追うのか、人として考えた場合その理由が不明確であったからだ。

そして、少女は再び理解できずに困惑する。
『キミのマスターにならせてほしい』そう言われた瞬間、自分の中に発生したその暖かな気持ちは何なのか。
安心、安堵、喜び、人で言
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