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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第24話 『乙女の悩み』
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いい事でもあったんだろうか。

そんな事を考えつつ、本を読み進めていると――コンコンッ、とドアがノックされた。

「あれ? 誰だろ」
「織斑先生か? もしかしたら一夏とかかもしれないし――ああ、俺が出るよ」
「ん、お願い」

読みかけの本にブックカバーについているしおりを挟むと、まだ読みたいという名残惜しさを残しつつ俺は本をテーブルの上に置いて立ち上がり、来客者の対応に向かった。

「はいはい、どちらさん?」
「ああ、オレだよオレ」
「新手のオレオレ詐欺か? そんな手には引っかからんぞ――と、冗談はさておき。 梓姫? どうしたんだ、こんな時間に?」

来客者は梓姫だった。扉を開けるとそこに居たのは普段の彼女とは違い、後ろで1つにしている豊かな黒髪を解いており、服装も私服と言うか、恐らく寝巻きだとは思うが浴衣っぽいものを着用していた。

服装が服装で、改めて見ると彼女が女の子だって事がよくわかる。なんというか、普段のボーイッシュな感じが結構抜けて、かなり女の子らしいというか、どこかの有名なお屋敷のお嬢様みたいな。
いや、確か楯無から聞く限りなら彼女も相当なお嬢様なんだろうけど。

「ん、そうだな――夜這いって言ったらどうする?」
「お前、冗談でも言っていい事と悪いことがある。お前も女の子だろうが、少しはそういう発言は考えろ――後、後ろにアリア居るんだぞ」
「はは、オレからのちょっとした冗談だよ――アリア、頼むから待機状態の機体に触れるのはやめてくれないか、いや、流石に度が過ぎたから、謝るから」
「……シキ、ユウに変な事したら殺すって言ったよね」
「いや、本当に悪かったって――ちょっとさ、2人に話というか、協力と言うか……とりあえずアリアもこっちきてくれるか」

殺意全開のアリアだったが、どうやら梓姫としては本題は真面目な話らしく、それを確認するとため息をついて座っていたベッドから立ち上がるとこちらに歩いてくる。
そして、こちらに来たアリアは完全にジト目だった。アリア曰く昔よりはマシになったそうだが、これより酷かったってよっぽどだったのかと思う。

「とりあえず本題、鈴の事なんだがな――ちょい、不味いことになってるつうか、オレじゃどうしようもないっていうかさ……」
「何だ? 凰さんがどうかしたのか?」
「単刀直入に言う、一夏がやらかした」

「はぁ?」
「え?」

俺とアリアは、そんな気の抜けた返事しか返すことができなかった。
ひとまず、一度梓姫を部屋に入れると事情を聞くことにした。
そして経緯としては

『部屋で凰さんと話をしていたら、突如として凰さんが顔を真っ赤にして「思い出した!」 と叫んで梓姫に対して「一夏の部屋に言ってくる」とだけ言って部屋を後にする』
『流石に梓姫も慌てて
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