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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第24話 『乙女の悩み』
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様子を見ていた篠ノ之さんが動いたらしい。
なら、俺は動かなくてもいいかな。篠ノ之さんなら、きっといい方向に事を進めてくれるだろう。

「そうやって人の善意を無碍にするとは、男としてどうかと私は思うぞ? 鈴だってお前のことを思って言ってくれているんだ、それをまるで『間に合ってます』というように返すのは失礼と言うものだろう?」
「えっと、箒? あたしは気にしてない――」
「一夏だけではない、鈴もだ」
「あ、あたしも?」
「ああ、そうだ。確かに、一夏のためを思って、一夏を強くする為にその提案をしてくれたのは一夏の特訓を見ている私としても嬉しい。だが――忘れてはいないか?鈴、お前は2組なんだ」
「それがどうしたって――あ……そうか」
「気がついたか? 『一夏はクラス代表で、鈴もクラス代表』なのだ。つまりは、少なくともそれが終わるまでは敵同士――いや、言い方が悪いな。ライバル同士と言ってもいい。そんな相手に、自分の特訓を見せて手の内を晒すだろうか? 私なら、晒さない」
「い、言われてみればそうよね……」
「ああ、一夏もそう考えていたのではないか? だが、どう返答していいかわからなかった。だからあのような最低とも言っていい返し方をしたのだろう? だから鈴、すまないが――その提案は対抗戦が終わるまで保留にして貰えないだろうか? 私としても強くなった一夏をいきなり晒すのはあまり気分がいいものではない。だから、すまないが――」
「……箒のと言う通りね。いいわ、じゃああたしは対抗戦で一夏がどれだけ強くなったのか、楽しみにしておいてあげる。絶対に勝ち上がってきなさいよ? 一夏」

なんというか、篠ノ之さんは元々芯が強くて意思があると思っていたけど、本当に入学当初とは比べ物にならないくらい変わったよなあと思う。
最初は不器用で、自分の思っていることも上手く言えなくて、確か前に一度竹刀で一夏に襲い掛かろうとしたのだが、そんな事はもう二度と無かった。
何を彼女をあそこまで変えたのかは知らないし、もしかしたら一夏の強さやあいつの持つ人を惹きつける強さによって変わったのかもしれない、そう思った。

「……そうだな、悪い鈴。俺がどうかしてたよ。だからさ、箒の言うように対抗戦が終わったらさ、俺の特訓お前も見てくれないか? だけど、対抗戦は俺も勝つつもりで行くからな」
「いい度胸じゃない、一夏――じゃあ対抗戦までは敵同士、ううん、ライバル同士って事ね。 楽しみにしてるからね?」

篠ノ之さんのお陰で綺麗にまとまったなあ。
そう思いながら、いつのまにか昼食を食べ終えたオルコットさんとアリア、そして梓姫と共に『うんうん』と頷いた。
だけど、ここで一夏の馬鹿が爆弾投下してくれる訳で。

「そういえば、親父さんは元気にしてるか? あの人、昔から元気だった
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