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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第24話 『乙女の悩み』
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重工』」
「……すまん、よく聞こえなかった」
「だから言ったろ……悠、お前ただですら心労多いからオレは気を使ってやったのに――『倉橋重工』だよ」
「マジかよ……その、訊いた俺が悪かった。後気ぃ使ってくれてサンキュ」

俺は、梓姫にその質問をしたことを後悔した。
むしろ、知らないほうが幸せだったのではないかと思う。

倉橋重工、名前から分かると思うが日本に存在しているとある企業だ。
が、その名前は色んな意味で有名である。
そう、フランスの『ネクスト・インダストリー社』に引けを取らないほどの知名度と実力、つまりは。
日本のまごうことなき変態企業、それが倉橋重工である。

俺も倉橋重工については知っている。雑誌でもよく出てくるし掲載される企業だからだ。
社長は倉橋勲、妻と一人の娘が居る。そして社長自身がよく雑誌のインタビューで言っている言葉は『一撃必殺 大火力』。

主に重工業用の業務用機械や工具、ロボットにIS関係用品を取り扱っている企業だが、本当にうちの企業に比べても遜色ないほど変態が多い。

特に、競技用ISの兵装として製作されている装備についてはえげつないの一言だ。まさに『凄く、一撃必殺です』というフレーバーテキストに相応しい大火力なのだから。

ちなみに、ISの有名な雑誌『インフィニット・ストライプス』に企業としてもよく掲載されるが、社長の娘さん、『倉橋玲奈』という彼女もよく雑誌のモデルやインタビューに出ている。
俺は今までフランスに居たので日本での知名度はよく知らないが、フランスの友人アレックスに訊く限りは企業としても、そして社長の娘さんの人気も高いらしい。

……まさか、その娘さんまでも学園に来るとかそんな事ないよな。
そうだ、俺の考えすぎだ。もしそうだとしたら これ以上の混沌が学園を襲うことになる だろう。

「梓姫、ちょっと嫌な予感がしたんだが……訊いてもいいか?」
「何だよ」
「俺の考えすぎ?だったらそれでいいんだ。 倉橋重工については俺も雑誌とかで知ってるからいいんだけどさ――確かあそこの社長さんには一人娘がいたよな? 名前は確か――」
「『倉橋玲奈』。オレは玲奈って呼び捨てにしてるけど、何だ? アイツがどうかしたのか?」
「学園に来ることは無いよな? 絶対無いよな?」
「あー……落ち着いて訊けよ? いいか、何があっても取り乱すなよ? 玲奈だけど、恐らく学園に転入してくる可能性はある。というか高い。 アイツが将来ISの技術者志望で学園に来る事を希望しているからな――それから 倉橋っていう家も、玲奈も裏の事情は知ってる。そこんとのこ理由も大きい、かな」

最後だけ小さな声で、俺にだけ聞こえるように言う。そして俺は、頭を抱えてため息をつくしかなかった。
という事はだ、可能性の話と
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