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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第24話 『乙女の悩み』
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、とりあえず凰さんの後を追う、それで一夏と篠ノ之さんの部屋に一緒に行って凰さんが話すのを見ていたらどうやら一夏と何かの約束をしていたらしいということ』
『で、その約束が「大きくなったら、毎日酢豚を食べてもらう」という約束だったらしい。その事について顔を真っ赤にして凰さんが話すと篠ノ之さんも動揺する』
『だが一夏が返答として返したのは「毎日酢豚を奢ってくれるという約束」という認識だったこと。それを聞いた瞬間凰さんが怒って一夏を平手で殴ると、そのまま泣いて部屋を出てしまったということ』
『そして現在、なんとか梓姫が泣いていた凰さんを見つけ出してなだめながら部屋に連れ戻ったと言う事』
状況としてはこんな感じらしい。
で、それを聞いて俺とアリアは「はぁ……」とため息をつくと同時に怒りしか沸いてこなかった。
つまりだ、確かに言い方が悪かったかもしれないし単純な口約束だ、口約束と言われてしまえば確かにそこまでである。
だが、凰さんが言ったのは、ええと日本で言う――『毎日自分の作る味噌汁を飲んで欲しい』、だったか。それに等しい言葉なのだ。
要するに、プロポーズだ。求婚だ。愛の告白であり、自分の好意を相手に伝えるための言葉だ。
鈍感で馬鹿で唐変木の一夏だ。それが気がつけるとは思えないし、聞く限り結構前の話らしい。
だからこそ、一概に一夏が悪いとは言えない、だけど――
「あの馬鹿一夏ァ……!」
「最ッ低……ッ! 女の敵だね、やっぱり粛清するべきかな? ユウ」
そうだ、口約束だし一夏に伝わっていなかった可能性もあるのだ。だからその点では一夏のせいとは言えない。
だけど、一夏は俺としても許せん事をやったのだ、それは凰さんを泣かせた、『女の子を泣かせた』という事だ。理不尽かもしれない、一夏にも言い分はあるだろう。だがしかし、泣かせたのだ、傷つけたのだ。理由としてはそれだけで十分であった。
それがプラスの意味でならいいのだろうが、一夏の発言したそれは、負の意味での、つまりは悲しみの涙を、傷つけられた時に発生する涙を引き起こした。
俺とアリアが許せないのはそれだ。
「後……この部屋は盗聴とか大丈夫だよな?」
「ああ、一応警戒はしてあるが――何だよ」
「昼の事、覚えてるか? ほら、鈴の親父さんが行方不明になってるって話」
「ああ、覚えてるけど……」
「あの場だから言えなかったけどさ……鈴の親父さん、もしかしたらというか、下手したらなんだけどさ……中国で起きた変な事件に巻き込まれてる可能性があるんだ」
何だ、それは。
梓姫は複雑な表情をすると、その件について話し始めた。
「鈴には悪いと思ったが、調べさせてもらった。そしたら、確かに鈴の両親は中華料理店を経営していた。だけどそれは表向きだったんだよ。鈴の親父さ
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