TURN71 ベルリンへその八
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「あまり居住性が悪いと将兵の士気にも関わりますね」
「しかもストレスが心身に蓄積されますので」
「潜水艦の課題ですね」
「艦内での運動が出来る位でなければ」
今は一応各自でサーキットトレーニングはしている、シャワーもある。
しかしやはり居住性はよくない、それでだった。
「問題があるかと」
「わかりました、総統にお話してみます」
「ベルリンに向かいましょう」
「後もう時間だな」
また東郷が言ってきた。
「食事の時間だが」
「ソーセージにシチューに」
日本は手元にあった今度のメニューを見ながら読み上げる。
「それにジャガイモのクリーム煮にライ麦パン、そしてオレンジですか」
「オレンジは冷凍させたものを解凍させたものです」
「これだけですね」
「栄養価は充分です、ご安心下さい」
「唐辛子はないんだぜ?」
韓国はどうしてもこのことが気になりエルミーに尋ねた。
「それはないんだぜ?」
「唐辛子、ですか」
「食う時には欠かせないものなんだぜ」
「あの、唐辛子は特に」
エルミーは怪訝な顔になり韓国の問いに答えた。
「ありませんが」
「何っ!?それはどういうことなんだぜ」
「ドイツ料理はお塩に胡椒だけです」
それにソース位だった。
「その他には」
「唐辛子はないんだぜ!?」
「あることにはありますが」
だがそれでもだというのだ。
「それでもです」
「少ないんだぜ」
「我慢して頂けますか?今回の間だけは」
「俺は唐辛子がないと死んでしまうんだぜ」
それが韓国だ、韓国は唐辛子がないとどうしようもない。
だからここでこう言ったのだった。
「もう生きる希望を失ったんだぜ。この航宙の間は寝ているんだぜ」
「そんなこともあろうかと思いまして」
だがここで日本が言う、そしてだった。
その手に山程の乾燥させた唐辛子を出して韓国に告げた。
「どうぞ」
「あっ、持って来たんだぜ」
「ドクツ料理は唐辛子を使わないので」
当然ドクツ軍人しかいないこのファルケーゼの中もだ。
「ですから」
「そうか、それじゃあ喜んで使わせてもらうんだぜ」
「すいません、そういえば韓国さんは唐辛子がお好きでしたね」
エルミーもここでこのことを思い出して言った。
「それもかなり」
「韓国さんは辛口志向なので」
またエルミーに話す日本だった。
「このことは覚えておいて下さい」
「そうなのですね。では」
「あと私は醤油です」
「すいません、お醤油も」
「それも持って来ています」
見れば日本の後ろには醤油の一升瓶が幾つかある。それも用意していたのだ。
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