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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第23話 『「俺」と「オレ」』
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殺対象が居ると指定されていた場所に行くとね、そこには『一人だけ少女』が居た。そして、その子がその時の私の暗殺対象、だけどね……その少女、気がついてると思うけどシキにも事情があった」
「……」
「本当は、本人の口から直接聞くべきなんだろうけど――ユウから転校生の話を聞いた段階で少しだけだけど嫌な予感はしてた。ここは日本だし、『シキが対暗部の人間だって私は知っていた』、だから……更識先輩の話と、織斑君の護衛の話を聞いてもしかしてとは思ってた。ユウは転校生が『対暗部の人間』とも言ってたから尚更にね。まあ、私自身杞憂だ、考え過ぎだって思ってたんだ。 話を戻すね? 簡単に言えば 私はシキを殺せと命じられて、そしてシキは対暗部として私を殺せと命じられていた。 だから、その通りに私達は殺し合いをした――だけど、そんな展開自体が罠で、本当は『私とシキを殺す』のが本当の狙いだったらしい」
「……それは」
「うん、完全にハメられたよ――だけど、私もシキも一流の自覚はあった。だからね……あの時、私達を殺そうとした奴らを皆殺しにして、そしてその場に居た、それまでわからなかった私への依頼主とシキに罠を仕組んだ張本人を殺した。『本来、殺し合いをする関係』それが私とシキの関係だよ」
「そうか――何も言わないよ、アリアにはアリアの事情があったんだ。だから同情も慰めもしない、だけど―― 一言だけ『それは昔のアリアだろ?』」
「うん、そうだよ。昔の私、ユウと出会う前の私だよ、だから、今の私はもう大丈夫」

大丈夫、そう言った彼女は笑いながら、そしてそれは迷いの無い意思が篭った笑顔だった。
きっと今の彼女は俺も昔とは違うから、当たり前みたいに、ごく普通の女の子みたいに笑って、怒って、だけど強い意志と信念を持って俺とは違う道を歩んでいる、そう思っているから。

だがしかし、アリアと梓姫の過去と関係は理解できたが、どうしてアリアはあそこまで梓姫を忌み嫌うんだ? 殺し合いをした関係、にしては少しなんというか……別のものを感じる気がする。

「アリア、事情は理解した――だけど、梓姫をあそこまで過剰に嫌う理由は何だ? その……涙目にまでなって嫌がってるアリアなんてはじめて見たからさ」
「あー……ゴメンね、ユウ。恥ずかしい所見せちゃったと思う。本当あの時取り乱してて……私がシキを嫌ってるというか、避けてる理由は1つだけだよ」

何かとてつもなく嫌なことを思い出しているのか、ちょっとプルプル震えているアリア、よっぽどなのかと思う。

やはり、もしそれほどの事情なら休学届けを出してフランスに帰ったほうが良いだろうか。一度企業とエディさんに相談すべきだ。
するとアリアはその言葉をはっきりと、迷い無く、それが真実であると信じているように俺に対して言った。

「それはね、シキ
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