第二話 開始早々に迷子です
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だろう。他人が見たら間違いなく、そう形容されるに違いない。
彼は今、間隔無くレイピアの耐久値をゼロにして壊すのが目的かの如く、そのボロボロになった細剣で敵に刺突を目にも止まらぬ速さで繰り出しまくっているのだ。
稀に鉄色の軌跡が描かれるが、それが描かれた時には既にまた目にも止まらぬ猛攻になり、再びその鉄色の軌跡が描かれる。
刺突、刺突、刺突、刺突刺突刺突刺突刺突刺突刺突刺突刺突刺突刺突! 秒間10回以上繰り出されているのではないだろうか、その刺突はすぐに《マンイーター》の体を穴だらけにしていく。最初に根っこの足の中心を、次に胴体を、その口を、鞭を、と次々に穴が開いてき、同時に《マンイーター》のHPは一段目をとうの昔に削り切り、現在は二段目の黄色(緑、黄色、赤の順にHPが少ない事を表す)の所まで削れる。
《マンイーター》は反撃しようにも、近距離に近づかれすぎ鞭で攻撃は出来ず、噛みつきをしようとすれば口に穴を開けられ、離れようと思っても少年の攻撃が速すぎ移動中にすぐに怯み、元より反撃や逃走という選択肢が存在しなかった。
そして、遂にはそのHPゲージが赤色に入った時――パキィン! という金属の甲高い音と共に、レイピアは半分に折れてしまった。
それを見て、《マンイーター》はニヤリ、と笑ったように見えた。再び噛みつこうと少年に襲い掛かると、少年はまた佇んだままだ。
《マンイーター》の噛みつきが少年の左肩に届く――と同時に、少年は《マンイーター》の顔に右の拳を思いっきり叩き込む。そうして怯んだ隙を突いて、少年は《マンイーターJr》にやったとき同様に口の上下を掴み無理矢理閉じさせ、下の口に膝を打ち込み、更に上の口には頭突きをくらわせる。
そんな力技にまだ僅かに《マンイーター》はHPを残している。ほんのドット単位のHPだ。
「これで終わりだぁ!!」
少年は最後の最後、素の口調に戻ってマンイーターの胴体に右拳を精一杯の力で叩きこむ。
――ドゴォン! そんな音と共に、《マンイーター》は動かなくなる。何があるのか分からない為、少年は未だに警戒を解いていない。
しかし、それも杞憂だったのか。《マンイーター》は通常のモンスターと同じ様にポリゴン片と化し、そのまま見事に爆散していった。
【You got the Last Attack!!】という紫色のシステムメッセージが視界の中央に現れる。
次に出てきたのは【BONUS ITEM】と書かれたシステムメッセージである。その下には細剣のマークが前に付いており、名称は《ドレインレイピア》と書かれている。
筋力要求値は20で、補正は攻撃力が初期装備のレイピアの7倍の420−430、耐久値は320、更にHP上限値+1000の追加補
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