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ソードアート・オンライン 奇妙な壁戦士の物語
第二話 開始早々に迷子です
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やなんて――完全に、遭難コースまっしぐらやないか)

 などと考えている内に、再び《マンイーターJr》が正面から一匹現れる。今回は集団ではない為、近づいてきた瞬間に回し蹴り、上から下へと殴りつける。こちらに口を開いて飛び掛かってきたのが、それは口の上と下を手で無理矢理閉じさせて握力で潰したことにより、結果的に《マンイーターJr》は少年の手の中でポリゴン片と化して無残にも砕け散っていく。

 と、そこで今までに見なかったあるものがHPゲージの近くに映っていた。

《マンイーターJrを250匹討伐したことにより、これより『マンイーター討伐戦』を開始します》

 と、見てみるとそう書かれたメッセージ文章だった。どうやらクエストのフラグはさっきの《マンイーターJr》を250匹倒すことらしい。何度も受ける事が可能かどうかは不明だが、正直に言えばもう二度とこんな手間を掛けたくなどない。

 そのメッセージは時間を経ると共に消え、そして目の前にモンスターがポップする。

 丈は恐らく、人の二倍はあるだろう。これも先ほどと同じ《マンイーターJr》と同じ形状の自走型ハエトリグサだ。違う部分といえば、手の無いモンスターだった《マンイーターJr》に、手の代わりをしている鞭のような茨(およそ3mほど)が付いている程度。

 しかし、そのリーチこそが広すぎる。今の武器状態で、果たしてあの鞭の攻撃を何回防げるのやら・・・・・・。

 HPゲージを見てみると、そのHPゲージは二段に分かれている。恐らくイベント専用の中ボスモンスター、もしくはボスモンスターなのだろう。だからHPゲージが通常より多いのだ。

 そうなれば、自然と攻撃力と防御力、さらに敏捷も《マンイーターJr》とは比べ物にならないはず。このボロボロのレイピア一本で、果たして勝てる相手かどうか。

 普段なら相手が近づいてくるのを待つのだが――リーチの差で負けている以上、こちらから突撃しなくてはいけないのは明らかである。そうでなければ、あの3mもある鞭の洗礼をくらうことになるのだから。

 それをくらわない為にも、少年は現実で習った剣術の一つを今此処で使う。

 レイピアを刀に見立てて水平にし、突撃してもその体制が安定するように持っている手とは逆の右手でその側面を支える。

「・・・・・・いくで!」

 掛け声。それは自分に対しての合図だ。声と同時に剣を水平に保ちながら《マンイーター》に向けて突撃する。

 勿論の事ながら、相手は接近をすんなり許してくれるほど易しくはない。すぐに無駄に長い茨の鞭をこちらに振るってき――少年はそれを甘んじて受けつつも突撃し、《マンイーター》との距離をゼロにして――

「これで死ねや!」

 それは、鬼神の如き猛攻といっても良かった
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