風間ファミリー集結ともう一つの再会
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いるよ。こっち見てる」
「男か。…武道やってる人間だな。姉さんはどう思う?」
「でしょうねつーか道着着てるんだからわかるでしょ。それに此処にいるって事は百代への挑戦者でしょうね」
千李の言葉に百代がそれもそうだ、とつぶやいた。
この風間ファミリーがただの幼馴染軍団と一味違うのは主に女子が武闘派なのだ。
するとその男性が口を開く。
「あなた方が川神百代さんと千李さん?」
「いかにも」
「え?何で私?」
百代は手馴れた様子で応対するが千李はいきなり自分の名前が呼ばれたことに困惑していた。
「私は雲野十三。武の探求者だ。高名な川神院の鉄心先生にお相手を願おうとしたところ、あなた方のどちらかに勝てないと勝負を受けられないと」
「そういう仕組みだな」
「なんで私までやるハメになってんの?」
千李はいまだに何故自分の名前が呼ばれたのかわからないでいるようだ。
「姉さん、少し黙っててくれ。しまらないだろ?」
「いやだって、私は何も聞いてないのよ?それなのにいきなり言われたってさ」
いまだにぶつぶつ言っている千李に対し百代はため息混じりに言った。
「朝食のときにじじいが言ってたけど聴いてなかったのか?」
「ほんとに?全然聴いてなかったわ」
千李と百代は挑戦者そっちのけで話あっているとそれを見ていた拳法家の男性が笑い始めた。
「フハハハ!!!川神鉄心、噂だけの男だったようだな」
「ん?」
「あん?」
その声に百代と千李が振り返り疑問を浮かべた声を上げると男性はさらに続けた。
「そうだろう?こんな美人な女子学生二人のうちどちらかと試合しろなんて正気の沙汰とは…」
男はじろじろと千李たちを見比べていたが突如、その顔が驚愕にゆがんだ。
「(な、なんだこの子達は…!よく見るとまったくスキがない百代さんの一見しなやかに見える体も信じられないほどに練磨されている!そしてもう一人ポニーテイルの千李さんといったか?あの子はまるで全身が研ぎ澄まされた刀のようだしかもまだ力を隠している感じがする。この俺でもわかるあの二人には絶対に勝てない。)」
「大変失礼なことを!!申し訳ない!!」
男は自分が相対していた二人がどれだけの人物かを理解すると深々謝った。
「貴方方は武道家でありました。お手合わせを」
「…承知…ふふふ」
百代はうれしそうにしていたが千李はそそくさと下がった。
「じゃあ私は傍観者で」
どうやら戦うのは百代のようだ。千李は大和たちの元に戻った。
「千李姉さんいいの?」
「百代がやりたいって言ったんだから百代に任せるわよ」
「いつの間にそんなこと…」
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