第三章
小さな教室で彼の心は巻き戻る。
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みたいなネームプレート。少し邪魔だな。
丸まった字で『きりやま きりや』と書かれているそれを首から外し、机に立て掛けた。
女の子から初めて貰ったプレゼントはとても、俺には勿体なかった。
ネームプレートを外すと音が掻き消え、景色は脱色が施される。もはや文字と、単純な線しかないこの僕の現実でずっと飽きずに本を読んでいたかった。彼女がくれた名札をずっと眺めていたかった。
最近のラノベみたいに真っ白けで僕以外誰もいない現実で、そのネームプレートだけは落ち着いた城の一室に射す日の光のように柔らかな色彩が施されていた。
時が止まっていた気がした。
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