第三章
小さな教室で彼の心は巻き戻る。
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たいと思ってごめん。etc,etc.で省略しようと思ってごめん。(割愛)しそうになってごめん。(笑)ってコメディにしようと思ってごめん。この状況で胸をチラ見してごめん。神風来いとか思ってごめん。起こらなくてチッ、て舌打ちしてごめん。ごめんをスマソにしてまたコメディにしようとしてごめん。ごめんに飽きてきてごめん。
ただ――、
「俺の悪いとこを信頼してくれたら嬉しい」
矛盾? いや、違うね。
信じてたよ、君はもう数学苦手だって。顔見りゃ分かるよ。
あなたは優しいだけじゃないって知ってた。でも、信じてる。あなたは私のことは信じてくれるって。だって私はあなたを信じてるから。
お前は俺の陰口ばっか叩くよな、知ってるぜ? でも、信じてたよ。お前は謝りに来てくれるって……。
本当だったらあんたは教師失格だ。でも信じていますよ。その言葉が嘘だって。被害者の女の子証言したようですよ。自分に暴力を振るったのは、人気者で保健体育を教えていた、あの○○先生だったそうです。安心していいですよ。もう脅された通りに嘘の証言なんかしなくても。それにあんた、僕以外からは信頼なんかされてませんよ。……ですよね、科学の△△先生?
――こんな風に信じてほしい。ってか最後なげぇ!
「俺は醜いだろ? そして見にくい。そんな俺を信頼するって言ってくれるんだ……。騙される覚悟もしておいてよ?」
「うん!」
並大抵の人ならふざけんなって言うとこだろ……。これが優しさか? どこか違う気もする。
「どうやらあなたの認知には成功したようね。霧山くん?」
「ま、案外簡単だったな、俺たち何もしてねぇし……。おい、そろそろHR始まんぞ」
「あ、ホントだ! じゃあね桐山くん、お先ー!」
勢いよく走り出した由比ヶ浜さんを皮切りに、比企谷と雪ノ下も歩き出す。
去り際、雪ノ下が、
「次の休みにあなたの髪を切りに行くわ。……あなたをよく見てから気づいたのだけれど、その髪の長さでは顔をよく覚えてもらえないし……恥ずかしい話だけど、怖いわ。……どうせ美容室に行っても認知して貰えなかったんでしょう? 絶対に次の日曜日、奉仕部に来なさい」
――だ、そうです。
面倒だと思ったが、胸のモヤモヤはすっかりとれた。ホント、感謝しなくちゃなあ。騙されてくれるほど優しい人がいたってことに。それを受け入れてくれる人がいたってことに。
とりあえず本でも読もうか、まだ続きなんだ。
落ち着いた、まるで城の一室にいるようだ。射してくる太陽の光がカーテンから溢れだし。教室を柔らかな色で包む。これだ、これだよ俺の求めていたものは。
安息の地で一人ぼっち。ただ、覚えている僅かな人たちの記憶で、この日常が組み立てられていく。
それにしてもこのプラカード
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