第一物語・後半-日来独立編-
第三十五章 日来の女達
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の武器の最終作業やってるから、それが終われば武器が手に入って破壊出来ると思うんだけどねえ」
「ほう、それならわたくしもやってみましょうかしら。楽しそうですし」
「ええ!? ……二人共正気?」
騎神は容易くは壊れない。そのように設計されているからだ。
しかし強力な力が加わればこれに限らないが、普通出来たとしてもやらない。
何故ならば、こちら側に騎神は一機しかなく、それも作業用騎神を改良したものだ。
心細いという言葉よりも、無理という言葉が浮かぶ。
だが二人はそんなマギトを他所に、壊す気満々でいるのでマギトはため息を付く。
「やるなら勝手にやってね。マギト、今でもキツいから、これ以上キツくなると襲ちゃうと思うから」
「誰をですの?」
「女子学勢」
「そうですか。……て、ええ!? え、あ、でも、人それぞれ個性と言うものがありますし……」
「アンタってば男には興味無いんだっけね」
「興味無いわけじゃないけど、一緒にいたいのは女性だよ」
「確かに異性と一緒にいるのはしばし気を遣いますものね」
三人が話している最中、加速機を噴かせて近付いて来るものがいる。
辰ノ大花の騎神。自分達の目標となる相手だ。
綺麗に一列、三機が正面に並ぶ。
「ホーミング入れてたけど、見た感じ防がれたみたいだねえ」
「さすがに対人用のそれじゃあ、騎神に当てることなんざ無理だろうさ」
「これ一応、対魔物用だからかなり強いんだよ? パートナーがいないと本気出せないから、主にそれが原因かな」
「ならばあまり無理はなさらぬように」
「はいはーい」
「無駄話はここまでにして、礼儀正しく待ってくれてる騎神とそろそろ手合わせしようじゃないか」
言う入直が乗っている騎神の左肩に、ネフィアが足場代わりに着地した。
ずっと柱に引っ付いていた状態では、戦闘開始時に支障を来すからだ。
騎神の持ち主である入直は勝手に乗られ、おい、と言いたくなったが仲間割れはよくない。
ここは我慢だ。
煙管をふかし、香棒|《アロア》により気分を和らげる。
戦闘時に邪魔になるため少し吸ったら炙っていた香丸の火を消し、煙管を専用のケースにしまい、スボンのポケットに突っ込んだ。
「それじゃあ、行こうか。準備出来てるね?」
二人は頷く。
それを見て入直は右の拳を、左の掌にぶつけて気合いを入れる。
「よし、なら派手に行ってやろうじゃいか!」
辰ノ大花の騎神三機対魔法術師と半獣人族、準戦闘用騎神を操る入直との戦闘が開始させる。
町民グラウンドの上に見える空には、まだ穏やかな風が流れていた。
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