第一物語・後半-日来独立編-
第三十五章 日来の女達
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明に一人の半獣人族が載っており、正面から来る流魔弾を右手で持っている銀の鞭で次々と弾き、砕いている。
足場の悪い場所だというのに身体の軸はしっかりとしており、弾丸を弾く際に生じる衝撃を片足を軸に舞う形で逃がす。
戦闘貴族の家庭に産まれた彼女は幼い頃から戦闘の仕方をその身に叩き込まれ、同時にどんな時であれ如何に美しくあるかを教えられた。
美しくあることは戦闘貴族の誇りであり、美しくあればある程実力が高いことが証明させる。
戦いの場であっても、如何に美しくあるかを彼らは求める。
彼ら戦闘貴族において戦場とは、自身の美しさ、華やかさ、優雅さ。無論、力を証明する場所であり、なんら貴族が行う舞踏会と変わりは無い。
戦いも娯楽の一つとして考え、楽しく、されど競い会うものとして自分の命が懸かっているとしても戦いを楽しむ。
それは半分、獣人族の血が流れている半獣人族であるネフィアも変わら無い。
「距離にして三百前後ですわね、長距離からの射撃とはなんと花がありませんこと。そんなに近接戦闘はお嫌いなのでしょうか? 楽しいと思いますのに」
独り言を言いつつも身体は動かし、鞭を振り、舞うだけという軽い動作だけで不規則に来る弾丸を対処する。
これまでのことから彼方は今度、一機別々の方向へ計三方向へと別れた。
きっと三方向からの集中攻撃をするつもりなのだろうが、対処は簡単だ。
地上に下りて、建物の影に隠れればいい。
しかし、今の自分の役目は騎神の的になり、結界の破壊を担当している者達の元へと騎神を行かせないことだ。
だからここは一つ、動かないでいてギリギリの距離でカウンターを狙う方法を取った方がいい。
だが彼方も馬鹿ではないだろう。きっとまた遠距離か中距離からの射撃を行い、待避するヒットアンドアウェイを取ってくる筈だ。
加速機を噴かしたために宙に散った流魔光が線を描いており、騎神との距離は半分に縮まった。
実戦機ではないが、やはり今相手にしているのも騎神に他ならない。
一機は自身の正面、もう二機は左右下斜めの位置にいる。
三方向から不規則に射たれれても防げる気はするが、次の動作に移る場合には何時もよりかは若干遅くなるだろう。
相手の出方次第だ。運の要素が強いが、どうにかなるだろう。
騎神が銃の引き金を引いた。
音が鳴るがタイミングが違う。左側の騎神が一番早く、その次に右、そして正面。
防ぐためには反時計回りに回転しながらの防御だが、こちらの行動を見越したのか先程の流魔弾ではなく実弾だ。
これは厄介だ。
流魔弾は衝突すれば砕け散るが、実弾はそうは行かない。
衝撃と共に実弾そのものの重さが衝突時に掛かり、動作を遅らせる要因の一つとなる。
弾数は各方向から五発、計十五発の実弾がこちらを穿
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