第一物語・後半-日来独立編-
第三十五章 日来の女達
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す」
「だいじょうぶ、なの? きしん、て、つよいから」
「倒すわけじゃないから大丈夫じゃないかと」
「だいじょうぶ、じゃない、の?」
「言い方が悪かったですね。平気です、皆帰ってきますよ。ほら、これ見てください」
と言って、映画面|《モニター》を表示した。
そこには戦いの様子が映っており、学勢達が映っていた。
見て分かる通り、敵の数が多い。
陣形を崩すことに成功はしたが、かえってそれが乱戦を招くこととなり不利な状況へと向かっている。
経験の差は歴然だ。
学勢側が潰れるのは時間の問題かもしれない。社交院の方は大人が多いため、どうにかはなっているかもしれないが彼方もきっと厳しい戦いを強いられているだろう。
しかし、皆は頑張っている。
「辛くても皆、頑張っています。日来のために」
「馬鹿長のためでもあるわ。たった一人の告白が、国内を騒がす事態を招いたんだから歴史に残ってもいいくらいよね」
「それは行き過ぎではないと。でもまさかですよね、セーラン君が特定の誰を好きになるなんて。何時もは、皆好きだ、て言うのに」
「それだけ、すきってことなんだよ……きっと。きずついても、たすけること、あきらめてなかったから」
「他人の告白はさらっと断っておいて、自分が好きになった子には一途なんだから。ふふふ、あの馬鹿長、私の姫を傷付けるなんていい度胸してるわ……」
「怖いですから、その言葉。ほら、黒い変なオーラ出てますし」
別に害のあるものではない。
芸能系術の効果であり、それを発動させたのだ。
だが演出がよく出来ているため、かなり恐ろしいものだ。
すると、やる気が薄れていた飛豊が話しに加わってきた。
どうやらここに来る前に、同じ覇王会のレヴァーシンクのアストローゼにお前いらない宣言をされたため傷付いたらしい。
飛豊も大変ですね、と美兎は思った。
「そう言えばセーランが見えないが、どうしたんだ?」
言われ、初めて気付いた。
戦場となっている町のなか、何処にもセーランの姿が無い。
「本当ですね、何処に行ったのでしょうか」
「あれれ? 覇王会なのに知らされてないの」
「何がだ、私は何も知らされてないが」
「レヴァーシンクもよく理解してるんですねえ」
「なんか差別してないか、その言葉」
「気にしないでください。大したことじゃないので」
「気になるな」
睨む飛豊に対し、恋和は笑って誤魔化した。
追撃を阻止するために、視線を流して話を進める。
「セーランは捕まらないように単独行動してるんですよ。これもレヴァーシンクから聞いたんですけど、最悪だけど長であるセーランさえ残っていれば一人で宇天長の元へ行き、救出可能ということなのだそうです。そうなると色々とヤバいですが」
「ですが本当に宇天長の救
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