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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第21話 『嵐の後の静けさ』
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れた扇子には『残念無念』と書かれていた。
その少女はIS学園の制服に、2年生の黄色のリボン、女の子にしては少し短めの水色の髪をしていた。
「そのわざとらしい敬語をやめろ、どうせ俺が年上だからとかそんな理由で気ぃ使ってんだろ?――そんなもんいらねえよ、どうせそこまで年齢違わないんだしな」
「ふふ、ではお言葉に甘えて――そんなに警戒されるとお姉さん傷ついちゃうわ、『月代先輩』?」
「……もういい、それで――いつぞやのお嬢さんが俺に何の用だ? 下らない理由ならまたアリアと篠ノ之さん呼ぶぞ、あの時の二の舞になりたいのか?」
「あー……できればそれは簡便して貰いたいわね、あれは結構おねーさん、響いたから……」
まあ、あれだけ不機嫌全開でアリアに当たられて篠ノ之さんにもきっつい事言われたらなあ。
「で、用件は?」
「あん、せっかちさん――『襲撃者』と同じ姿をした月代先輩に少しお話があって来ただけよ、私は」
「……お前、何でそれを――」
その言葉を聞いて俺は身構える。何故ならば『襲撃者の情報は俺達と先生2人しか知らない』筈なのだ。なのに己の正面で不敵に笑う少女は、『それを知っている』のだ。
「『お前』って名前じゃ私はないわよ?私の名前は――『更識 楯無』、親愛を込めて『楯無』と呼び捨てにしてくれていいわよ?」
「それで、その更識さんが俺に対して何の用だ?」
「い、今のスルーされて少しおねーさん傷ついたわ……」
ガクッと項垂れると再び扇子を出して広げる、そこには今度は『乙女心』と書かれていた。何が言いたいんだ……それと、なんでそんな器用なことができるんだ。
そのまま放置していると再び立ち上がり咳払いをすると、彼女は言葉を続けた。
「とりあえず、警戒を解いてくれないかしら?月代先輩。 少なくとも私は貴方の敵ではないわ」
「そう言われて、信じるとでも?」
「困ったわねぇ……なら、私が月代先輩のISと先日の襲撃者の姿が同一だと知っているのは、『織斑先生』から機密扱いで報告を受けてある依頼をされたから。こう言えば信じてもらえるかしら? 何なら、今この場で織斑先生を呼んで確認してもらってもいい」
そう言い切った彼女を睨み付けながらも、俺は彼女の目を見る――その目は、自信と意思に満ち溢れており、少なくとも……俺に対して嘘をついているようには思えなかった。
だとすれば、織斑先生が彼女に対して何かしらの依頼をしたというのは本当か?明日確認する必要があるが……ともかく彼女の話を聞いてみようと、俺はそう思った。
「ひとまず、君を信じよう――それで更識さん、俺に話というのは?」
「……うーん、そうねぇ――えいっ」
こちらに対して歩み寄ると、いきなり俺の右腕を自身の体に手繰り寄せてその身体を密着させてくる彼女。そ
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