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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第19話 『正体不明 < Unknown >』 中編
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動するより先に、目標が死角へと現れまた首を掴まれる。まるで、『まるでこちらの思考を読んで圧倒的な反応速度で行動されている』 ように、完全に今まで遊ばれていたかのように、既に<Unknown>の攻撃は一度も通らなかった。
そして――目標は<Unknown>の首を左手で掴む。 完全に逃げられない状態を作り出されて、己の真正面で開かれる灰色の6枚翼を見ると同時に、<Unknown>は見てしまった
その、目標の――魂が篭っていないような、虚ろともいえる『蒼色』の瞳を。
再びゼロ距離で叩き込まれる高エネルギー弾という圧倒的な暴力、<Unknown>は例外的な事態の連続発生に、急激に変化した目標、そして現在の状況から次に取る行動を判断する。
そして判断したのは、『撤退』という選択だった。このまま己と目標が戦闘を続ければどうなるかがわからない。いきなり豹変したあの目標を相手にした場合、戦闘結果はどうなるかが推測できないと判断したのだ。
恐らく向こうも後当てることが出来れば一撃、その一撃で目標を無力化し、己の目的である捕獲を遂行できると<Unknown>は考えたが、データや理論では証明できないような、『マシン』では理解できない何かがこれ以上の戦闘は不味いと告げる。
<Unknown>にはそれがどうしてかは理解できなかったが、状況とデータから確かに不味いということは判断できた。だからこそ――<Unknown>の取った行動はひとつだった。
それまでひたすらにライフルでの打ち合いと、目標がこちらの死角に『瞬間移動』してきての対処、ひたすらにそれを繰り返しながら、突如として<Unknown>は目標ではなくアリーナの管制室、そこにライフルを向ける。
ライフルを管制室に向けた瞬間、その瞬間に目標の行動が変わった。予測した通りだと<Unknown>は思った。ライフルを向けた対象が自分自身ではなく別の対象に向けられた場合どうなるか、恐らくあの目標は自身の感情に従い行動すると自身の持つデータから判断したのだ。
<Unknown>は迷わず作戦目標ではない管制室に対してライフルをトリガー、放たれた赤い閃光の射線に目標が立ち、右手腕部のエネルギーシールドでそれを防ぐと同時に爆風が発生するのを確認する。
それと同時に、<Unknown>は上空に対して連続的に瞬間移動しながら、アリーナ上空に対してライフルをトリガー、上空のシールドに再び穴を開けるとそこから離脱した。
そして、<Unknown>が離脱したアリーナでは管制室の前に浮遊していた『彼』はそのままアリーナの地面へと着地すると同時にISを解除し、その場に倒れ伏した。
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