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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第17話 『蒼い雫』 後編
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『今』のアリアは――戦おうとしていた。
本当に、本当に変わったと思う――出会った頃のまだ少し不器用な彼女の面影はもうなくて、ただ凛々しくて、強い意志を持つ彼女が今ここに居る。
俺は、どうだろうか? 色んな事があって、これからISの可能性を探しに行くと決めて、力を持つ存在としての覚悟と責任を持って――俺は、あれだけ変わった彼女のように、少しでもいいから強くなれているだろうか?
そんな事を考えながら、俺はモニターを見る。そして……己の隣に今立っている友人に対して、口を開いた。

「一夏」

「ん?何だよ、悠」

「よく見ておけよ」

「は?」

一夏は何の事だ?というように頭の上に疑問詞を浮かべながら俺を見ていた。だが―― 一夏もこの後すぐに分かる事になるだろう、アイツの、アリアが『天才』と呼ばれる理由を。
同じ近接型として、一夏は何を思うのだろうか?そんな事を考えながら俺は言葉を続ける

「アリアはな――ある種の天才なんだよ。『近接戦闘における戦闘技術』、その点においてはアイツは俺なんか足元にも及ばないくらいの天才だ。よく見て置けよ一夏、同じ近接型のお前は、アイツの動きを、この戦いを目に焼き付ける必要がある」
「……悠がそこまで言うのか。なら――わかった、ちゃんと見ておくさ、そして学ばせてもらう」

一夏は俺の言葉を聞いて、一気に真面目な顔になるとモニターを食い入るように見始めた、その意気だ一夏、お前にも――天才と呼べる才能があるんだからな。
そして俺自身もモニターに目を戻す、そこには――対峙した『蒼』と『赤』が存在した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

まず感じたのは、風だった。ピットから飛び立ち、真っ先に私が感じたのは心地のよい風だった。
空を飛ぶのが、風を感じるのがここまで気持ちいいものだったなんて。 そう私は思った。
企業に居た頃は室内でのテストが多かったし、昔の私は――今の私みたいに、こうして心地よいということを感じることすら知らなかった。
だからこそ、もう少しその心地よさを味わいたかったが……今は、それよりも優先すべき事がある。そう考えると、私は正面に視線を向ける――そこには、オルコットさんの機体『ブルー・ティアーズ』が存在した。

「……覚悟は出来てまして?ローレンスさん」

「それはこっちの台詞。 ねえオルコットさん――少し聞いてもいい?」

最初に口を開いたのはオルコットさんだった、自信に満ち溢れた顔、優雅ともいえる素振りを見せながら私に対して言葉を放ってきた。
そして私は、こんなオルコットさんに対して言葉を返す――それは、私からの問だ。聞きたいと思っていた、問い。

「何ですの?」

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