暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第17話 『蒼い雫』 後編
[7/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ました。己の中の、決して揺るがないだろうと思っていた意思が揺らぐほどに。

「織斑一夏、月代悠、それから――アリア・ローレンス」

織斑一夏、彼からは――とても強い意志と信念、それを感じましたわ。そして、私の持つそれとは何かが違う気がしました。何処が違うのか、何故彼の意思はあそこまで強いのだろうか、私には理解できませんでした。
ですが……知ってみたいとは思いました、彼の信念という力が、意思という想いが、どんなものなのか――知りたい、と思いました。
最初私は、その気持ちが恋慕の気持ちなのかと思いましたが――よくも知らない男性に対して、そんな想いを抱くというのは違う気がしました。ですからきっと私は、彼のその意思に魅せられたのだと想います。ま、まぁ……もしかしたら恋慕に発展する可能性はありますが――今はそんな気持ちありませんわ、決して。決してありませんわ

そして、『月代 悠』――彼の言葉もまた、私の心に突き刺さりましたわ。
『君のその力を持つ覚悟は何なのか』、そう訊かれた時、私は……即座に応える事ができませんでした。私の力を持つ覚悟、それは『己の存在の証明』、そして『己の力を示す』ということでした。
ですが、そう私にはあの場で答える事ができませんでした。一体何故?どうしてですの?私は――『ずっと、そう思ってきたはずなのに』、『ひとりぼっちが嫌だから、周りが怖いから力を示してきた』筈なのに。
わからない、わからないという言葉が私の結論でした。そして――あの時の彼は、どうして『あんなに哀しそうな目』をしてのかと。
冷たくも、厳しくもあって、鋭い言葉――確かに彼の言葉はそれでした。しかし……どうしてそんな言葉のはずなのに、あんな哀しい目をしていたんですの?そして、どうしてその言葉に僅かの温かさが入り混じっていましたの?
わからない――ですが、織斑一夏同様、私は今度は彼の覚悟や信念、それを聞いてみたい、知りたいと思ってしまいました。


最後に、『アリア・ローレンス』――彼女について私が最初に思ったのは、『恐ろしい』の一言でした。
自己紹介や『織斑一夏』、『月代悠』と話している彼女を見ていましたが、よく笑って、怒って、どこにでもいるような普通の女の子でしたわ、ですけど……『あの時』だけは違いましたわ。
『決闘』という名目で勝負を挑んだあの時、きっと私の言葉の何かが彼女の逆鱗に触れてしまったのだと思います、そして……私に対して『その感情』を露にする彼女は、ただ恐ろしかったですわ。
怒りでも、憤りでもない――それを通り越した、冷たい何か。まるで自分の首にナイフを突きつけられるように、頭部に背後から銃口を突きつけられているような、そんな感覚。

だから私は、己の力で彼女を倒して、自分が彼女より上だという事を証明して――その恐怖心を無く
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ