化物の力の一端、初代の感謝と謝罪
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“現時点”のシリウスだと勝てる図がまったく浮かばないのだ。全盛期のシリウスなら話は別なのだが、百年単位の眠りは腕を錆び付かせるのには十分すぎた。そのため今のシリウスでは全盛期の三分の一もあればいい方だろう。それ以下だと最悪なのだが。
今のアテナ様を現時点で倒せる可能性が居る者は神殺し、まつろわぬ神、御剣に於ける逸脱者の桜華様に現当主の者達くらいですかね。
錆びつきすぎている私では話にならないですし、他の神殺しやまつろわぬ神に頼るのは論外。というか知り合いなんていませんし。桜華様はこの国にいる最強の《鋼》が目覚める可能性を潰している最中なので無理。そして現当主は聞いたところによると海外に居るので不可能。
幾らかの錆び落しとしてはちょうど良いかもしれませんね、と思う。しかし、
「……どうやって収めますかね?」
試す為と言え喧嘩を吹っかけたのはこちらだ。今更、死にそうなので止めましょう何て言えない。そんな事をするくらいなら端から試すなんてことはしない。
「………まあ、何とかしますかねっ!」
そう言い、守護神であるアテナと怪物であるシリウスの戦いは一日近く続き、何とか思考を巡らしたシリウスの苦労を以って引き分けという形で終わったのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
「―――とまあ、一日近く続いた戦いは何とか収めました」
いやー、苦労しましたね。と言っているが蓮華は『アホか』と思うのは当然だと思う。
庭の惨状を目にしながら一体何をしたらこんな事になるのやらと思うのは極々自然な思考だと思う。神との戦いでもアレほどの惨状になるのかと、先輩方に質問してみたいと思ったのは仕方ないと思う。
「まあ、過ぎた事は置いておくとして、桜華様。そろそろ話さなければならないのでは?」
「おっと、そうだね。時間は有限だからね」
「?」
何を言っているのかは分からないが、桜華の纏っている雰囲気が変わった。
「さて、神殺し御剣蓮華。君が神殺しに成ってくれて、まずは感謝と謝罪を述べよう。―――ありがとう。そして、僕の願いを押し付けて_君に全てを押し付ける僕を許してくれ」
腰を折り曲げ感謝と謝罪を述べる桜華。先のようなふざけていたそれではなく、真剣さがあった。
「………ありがとうって言うのは言わなくても良いよ。俺が神を殺してそうなった結果だ。けど、謝罪はどういう事?」
「……それについての説明は少しばかり長くなるけど良いかな?」
「問題ない。けど、俺の質問を答えてくれるか?」
「いいよ。恐らく君の知りたい事は今から話す事で分かると思うから」
そう言い、桜華は言葉を
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