第三十八話〜日常と動き出す歯車〜
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にそれが顕著に現れていたのは恐らくティアナである。
彼女はなのはにあの時言われていた。
「相手が自分よりも強いのなら、相手に勝てる自分に有利な状況を作り出す」
それを言われた時、ティアナはライの記憶で見た事を思い出していた。ルルーシュやライは極少数の味方だけでブリタニアの軍勢に拮抗する戦いをしていた。そのことを思い出したのだ。
そして今、ライはそれを実際にやってみせた。以前までのティアナならそれを簡単にやってのけるライに嫉妬していた。だが、今のティアナの胸中にあるのは純粋な尊敬と憧れ。そしてそれを自分でも出来るようになろうとする向上心が渦巻いていた。
そんな彼女から少し離れた位置にいるヴィータはなのはに話しかけていた。
「なぁ…………あいつを、ライの奴を本当にまた戦わせるのか?」
「うん。それをライ君は望んでいると思う。それに何もできない方がライ君にとっては辛いことだと思うの」
「けどさ、あいつをこれ以上戦場に立たせるのはまずいんじゃねーか?」
それは純粋にライを心配しているヴィータの言葉であった。彼女は六課の中でも特に優しい部類に入る。その為、身内が何かをしようとする際には一番にその身内のことを考えるのは彼女であるのだ。本人にそのことを言えば強く否定するのだろうが。
だからこそ彼女はライが元の世界で、これ以上ないほど傷ついていることを心配してその質問をなのはに聞いてみた。
「ライ君は大丈夫だよ」
ほぼ即答に近いなのはの言葉にヴィータは面食らう。
「確かにライ君はこれ以上ないくらいに傷ついていると思う」
「なら――」
「でも、これ以上ライ君が傷つかないように私たちが頑張ればいいんだよ」
それを聞いたヴィータは驚いた顔をしたあとに微笑みが溢れていた。何故ならその言葉を言った時のなのはの表情がなのはが大怪我を負う以前の表情であったからだ。
その表情を見れて安堵すると同時に、なのはの言葉に素直に納得するのも少し癪に触るので彼女は軽口を叩いた。
「単純」
「にゃ?!それは酷いよ!」
なのはの言葉が虚しく響いた。
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ラ「毎度お馴染み、司会進行のライです。今回のゲストはこの2人です」
ヴィ「リリなの代表、鉄槌の騎士ヴィータだ」
ジェ「ギアス代表、ジェレミア・ゴットバルトと申します」
ラ「今回はある意味心機一転の回でした。2人から何か質問は?」
ジェ「御一つだけございます」
ラ「ジェレミア卿?」
ジェ「今の世界でライ様はお幸せでしょうか?」
ラ「?普通に幸せだけど………
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