第三十八話〜日常と動き出す歯車〜
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たまま一歩を踏み出していた。
ライのその動きが見えた瞬間、フェイトはバルディッシュを構えなおそうとした。だがそれはライの予想外の行動で動きを止めてしまい出来なかった。
「え?」
口から無意識に出る間の抜けた声。その原因を作ったライの行動。それはライが自分のデバイスである2本の剣を手放したからだ。
熟練した魔道士なら、ある程度デバイスとの距離が離れていても展開されているバリアジャケットを維持することはできる。しかしライは戦闘について熟練者であるが、魔法に関しては素人である。その魔法の力量の足りない部分の底上げはデバイス任せといってもいい。その為、デバイスを手放すとライの纏っていたバリアジャケットは当たり前のように解除される。その事もフェイトを混乱させる要因の1つになっていた。
「え?え?」
そのまま自分に近づいてくる生身のライにどう対処していいか分からないフェイトはその場で立ち尽くす。
お互いに手を伸ばせば届く位置になったとき、ライは両手を伸ばしバルディッシュを掴む。そのままバルディッシュを回転させフェイトの手からむしり取ろうとする。少なくともフェイトにはそう見えた。
フェイトは魔道士としての訓練や実戦を経験している。その為、無意識に愛機であるバルディッシュを手放さないようにする。それが今回は裏目に出た。
バルディッシュを回転させると同時に、ライはフェイトに足払いをかける。それが原因でフェイトの体が一瞬浮く。バルディッシュを回転させた勢いもあり、フェイトは空中で体勢崩す。
その隙にフェイトの懐にまで近づいたライはフェイトの腕とバリアジャケットを掴み、柔道の背負い投げの要領でフェイトを地面に仰向けの状態で落とす。
何が起こったのか理解できずに、ポカンとした表情をするフェイトにライは問いかける。
「頭は冷えた?」
ライのその一言でフェイトは顔を赤くして羞恥の表情を浮かべる。
見透かされていたのだ。フェイトが舞い上がっていたことを。その事がバレていると分かった瞬間フェイトの表情はバツの悪いものに変わった。
ライはフェイトから距離を取ると蒼月とパラディンを拾う。
「戦いを楽しむのはいいけど、今は模擬戦でしかもみんなも見ている前だから」
仕切り直しの意味を込めてライは構えなおす。それを見たフェイトは慌てて立ち上がり構えなおす。
「ごご、ごめんね!え〜〜と、その」
ライの言葉を聞いて慌て出すフェイト。その姿を見たライはその彼女の姿が可笑しくて笑みを零した。
機動六課・訓練場付近
一部始終を見ていた六課のフォワード陣はそれぞれ個別の反応をしていた。フェイトの様子に苦笑いしたり、呆れたりしている人。他にはライの技量に感嘆している人もいた。
特
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