暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross storys〜
episode of cross:欠片
[5/5]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
ていた。このままではあと数秒で巨人は再び動き出し、今度こそ動けないゲツガとホーク、レンを狙うだろう。
そうなったら、再び防ぎきる自信は今のゲツガにはない。第一、剣の耐久度もとてもじゃないが持たないだろう。ちらりと愛剣を見ると、所々が刃こぼれし始めてていた。損耗耐久度が閾値を越え始めた、何よりの証拠である。
───よぉ、ピンチみたいじゃねぇか。
突然、何の前触れもなく、頭の中で声が響いた。
特に何ということもない普通の声なのに、どこかねっとりと素肌に纏わりついてくるような、生理的に嫌な声である。
───うるさい、こっちは忙しいんだから少し黙ってろ。
素っ気なく頭の中で返すが、その声はしつこく言ってきた。
───力を貸して欲しいんなら、いつでも言いなー。こっちゃあ暇で仕方ねぇんだよ。
───………その暇を発散させた時、お前は何をどうするつもりなんだ?
───さぁなー。その辺はご想像にお任せしようかな?
ふざけるな、そう思った。
ゲツガは必死に体を起こそうとするが、異常なまでの倦怠感が体を包んで体が全く動かない。やっべ、と脳裏で閃くが、体が言うことを聞かない。
そうこうするうちにも、巨人はうっそりと動き出した。
恐らく一番殺傷能力が高そうな、戦斧を大上段に振りかぶる。一瞬の静寂の後、ソレは風を切りながら振り下ろ───
ザシュッッ!!
───されなかった。
凶器が振り下ろされる紙一重前に、萌黄色のコートをはためかせる影が眼前に躍り出て、巨人の体を一息にたたっ斬ったのだ。いきなりの攻撃に巨人は雄叫びを上げ、戦斧が手の中から滑り落ちて音高く地に落下した。
「セモン!」
ゲツガが叫ぶと同時に背後から誰かに抱きかかえられた。頭を巡らすと、シキがレンとゲツガをもう一方の腕に抱えながら居た。
「悪ぃ、遅くなった!その頑張りには悪いが、一回引くぞ!!」
「わかった。レンは!?」
「大丈夫だ。気を失ってはいるが、死んではいない」
シキの腕の中のレンに視線を移す。闇色のマフラーに顔を覆ってはいるが、規則正しい呼吸が聞こえる。
「セモンは何をする気なんだ……?」
「セモンにはしばらくの間、囮になってもらってる!とにかく行くぞ、セモンの頑張りを少しでも短くするためにな!!」
ぐっ、と腕を引く力が強くなり、ゲツガ達は逃走した。
周囲を流れる景色が、みるみる暗くなっていくような気がした。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ