暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross storys〜
episode of cross:欠片
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あるような大槌の断面が迫ってくる。

───受け止める………!

そうホークは思ったが、あることに気が付いて戦慄する。

利き手である右手でレンを受け止めたのが災いした。防御が絶対的に、どうあがいてもできない。

「くそっ!!」

せめて残った左手で、少しでも衝撃を減らせればと思い顔の前に構える。

もちろん内心ではこんな薄すぎる盾とも言えない盾で、あの壁が迫ってくるような攻撃を防げるとは到底思ってはいない。それでもホークは迫り来る衝撃の前に咄嗟に目を瞑る。

直後、凄まじい衝撃音が脳を揺さぶった。










いまだ雷ブレスの余波が残る体を起こしていると、視界の端でレンを追って駆け出すホークの姿が映った。

「あンの……バカッ!」

ギシギシと不気味に軋む体を半ば強引に動かし、ゲツガはホークの後ろ姿を追って駆け出した。だが、一心不乱に走るその姿は一向に大きくならない。

基本的にゲツガのステータスはSTR一極型だ。足はお世辞にも速いほうだとは言えない。それに彼の二つ名《白い弾丸(ホワイトブレット)》の由来、弾丸のごとき高速移動は周囲に足場となるオブジェクトがないと意味を成さない。

数メートル先でホークが、巨人の攻撃を受けて吹き飛ばされたレンを見事にキャッチした。

だが、遅い。圧倒的に遅すぎる。

重なり合う二人の向こうでは、黒き異形の影が人間の等身大ほどの大槌が思いっきり振り上げられている。

攻撃モーションは、開始させられている。

「間に合えーッッッ!!」

精一杯跳躍し、どうにかゲツガはハンマーとホーク達の間に体を滑り込ませることに成功した。視界はもはやハンマーの断面で一杯に塗りつぶされている。両手剣を急いで抜剣し、切っ先を地面に突き刺して体の前に縦に構える。

直後、凄まじい衝撃が剣を通して体中に伝わった。

───ぐぅっお、ぉおおおぉぉぉぉおぉー!!!

みしみし、と全身がキャパシティーを超えた衝撃に悲鳴を上げる。

剣と体が一体となったような気がする。

軋んで、軋んで、軋む。

この衝撃は、例えるならそう。途轍もなく大きなゴムの塊が、真正面からぶつかっているようなものだ。柔らかいが、とてもじゃないが踏ん張れないような衝撃。それが全身を襲っているのだ。肉が、内臓が、骨が、不気味に脈動する。

軋んで、軋んで、軋み続ける。

永遠かと思えた衝撃の後、終わりはあまりにも唐突に訪れた。

体を包む圧迫感が消え、ゲツガは砂利の上に堪らずにへたり込んだ。

全身に力が入らなかった。ちらりとHPバーを見ると、全体の四割が消失していた。肩で息をしながら崩れ落ちるゲツガの目の前で、巨人は攻撃の技後硬直時間を着々とすり減らし
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