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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross storys〜
episode of cross:欠片
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はそれぞれ形状の違う武器を持っている。大剣、戦斧、棍棒、大槌。その全てが、一種異様なプレッシャーを放っていて、離れたこの距離でもたじろぐほどだ。

ソレは、アインクラッド第二十五層を守護し、後にクォーターボスとも呼ばれるようになり、半ば伝説となりかけたフロアボスだ。

第二十五層フロアボス【General the dual giant】

視界の端で、レンが激しく顔を歪ませるのを見た。

それに気付いているのか、はたまた気付いていて無視しているのか、セモンが黒い巨人を指差しながら口を開いた。

「なぁ、あれってどう攻略するんだ?二十五層のクォーターボスっつったら、めちゃくちゃ強かったって噂だったんだぞ?」

「まぁ確かに。あの二つ頭の二連撃の雷ブレスで戦線が崩壊しかけたって話だからな。だが、弱点がないって訳じゃない。ブレスと薙ぎ払い攻撃に気を付ければ、決して叶わない相手じゃない」

ホークの言葉に、じっと巨人を見つめていたシキがふと思い出したようには言った。

「そう言えば、これまでのボスは全部、攻性化範囲(アグロレンジ)は五十メートルそこそこだったが、あいつには変化が絶対あるよな」

あ、とシキを除いた一同は言った。そして、改めて漆黒の巨人立ち塞がるその向こう、このフロアのコントラストにそぐわない大理石の石橋を揃って見る。その幅はどう低く見積もっても、六十メートルはある。

単純計算でも、あの巨人が橋の真ん中を陣取っていても端っこの五メートルを通れば戦闘にならないということになる。それでは守護している意味が全くない。

必ずあの二つ首の巨人の攻性化範囲(アグロレンジ)は広くなっているはずだ。最低でも六十メートル。

そして、巨人の二つの首はどちらもこちらをしっかり見ているのもまた事実で───

「「「「「…………あれ?」」」」」

綺麗にユニゾンした声で言った五人の視線の先で、ピカッと巨人の口元が光った………気がした。

次の瞬間

───ピッッッシャァアアァァァアァアアアンンンン!!!───

全員の聴覚一杯に、膨大な乾いた衝撃音が響きわたった。

頭に鍋を被って、それをぶん殴られたかのごとき衝撃が五人の脳を揺らした。平均感覚が容易く崩壊し、堪えきれずに砂利の地面に投げ出される。視界端に浮かぶHPバーが二割近くがりっと削れた。

間違いなく油断していたのにこれだけの被ダメージで済んだのは、決して避けたとか運が良かったとかではない。ただ単に、外されたのだ。

目眩でくらくらする視界のはるか向こうで、巨人の醜い顔が歪み、にやりとした笑みを浮かべるのが見えた。

───っそ…………

げぇほ、げほっ、と口の中に嫌というほど入った砂利を吐き出しつつ、両腕になけなしの力を入れて
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