妄想―人外の弟子、入学す―
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おいそれ詳しく聞かせろ。
まあ、このような千冬姉に対する音波攻撃に、当の本人の千冬姉は頭を痛めているようだがそれでもつつがなくHRは終わった。
……職業不詳で月に一、二回しか家に帰ってこないから何をしているのかと思ったが、IS学園の教師だったんだな。
「さあ、SHRはこれで終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」
なんという鬼教官。と、邦介さんともう一人、邦介さんが雲隠れして修行をつけられなくなったから、その代わりとして連れて来てくれた蒼也さんの修行を受けた身とすれば、中々に優しい方だと思える。
(まあ、出来る事を言われてるだけましだからなあ)
決して三日、または体力が無くなり、意識が無くなるまで飲まず食わずで走れ、とかこの岩が砕けるか、拳が砕けるまでそれ以外何もするな、とか屋上から無傷で着地しろ。とかいう生死にもかかわる修行を受けてきた身からすれば、この程度は楽に思える。
ちなみに邦介さんも蒼也さん(妻帯持ち)も少し感覚がずれているらしく、二人はこの内容の遥か上のことをやって見せた。不思議な力は一切使わずに。
……俺の周りにはどうしてこうも人を超越した方々がおられるのだろうか。
よく笑って、一流大企業(世間に疎い俺でも知っていた。というかよく買っている製品がほとんどそこの商品だった)に勤めている蒼也さんはまともかと思ったら、平気で海を割ったり、屋上まで一度で跳んだりするし。
その奥さんも大和撫子みたいにおっとりとしていて、雅な雰囲気を醸し出しているのに握力勝負や腕相撲では勝てた試しがないし(俺はリンゴを握り潰せる)。
唯一の身内である千冬姉は「私も精進が足りないな」とか言いながら定規で斬鉄の練習をしてるし(成功率は五割である)。
「顔を上げろ馬鹿者」
うぃっす。
ちなみに俺のセカンド師匠(ファーストは千冬姉、サードは蒼也さん)である邦介さんは、ジーパンに半袖でそれ以外何も持たずにエベレストを登頂したり、素手で斬鉄出来る(成功率は十割)し、本人曰く心眼というものが使えるとか。詳細が分からない。
その噂の一番目の男性操縦者候補がリビングのテーブルにその写真を置いてあったのだから間違いない。
……ああ、俺は邦介さんがドイツに行った日からその姿を一度も見ていないが、どこにいたのかは大体分かっている。
……一応指名手配されている身なのに、家に平気で土産物とか写真を置いておくなよ。
さあて、ISの授業は如何ほどのものか。果たして俺は予習なしについていけるのだろうか。
俺はこんな見世物のパンダのような状態でまとも
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