暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
Chapter-1 First story~Various encounter~
number-9 battle and reconciliation
[2/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
瞳、深紅が熱血、情熱などと言ったことを指すのであれば、碧は、冷静。気持ちを落ち着かせる色である。
龍雅は、感じられる魔力が跳ね上がったところから油断はしていない。
むしろ相手との力量差を実感しているところだった。
今持てるすべての力を出し尽くしても、あいつには勝てない。そう、本能的に判断していた。
魔力量でいえば、なのはと同じAAAランク。まだ、SSランクである龍雅には及ばない。
だが、燐夜にはそれ以外に底の知れなさ、得体の知れなさがある。
まだ何か力を隠し持っているのではないのか。今でも勝てないのに、これ以上強くなるのか。
思わず、再び手に創造したカタナを燐夜に向け、斬りかかった。いや、斬りかかってしまった。
――ガァン!!
鈍く高い音を上げて、龍雅のカタナは折れた。
いつ出したのか、燐夜が持っている、黒を基調にして青いラインが入った1mはありそうな剣によって。しかしそれは、なんの力も通っていない物理攻撃のためだけの剣だった。だったはずだった。
龍雅は素早く後ろへ下がり、折れたカタナを燐夜に向かって放り投げて言葉を紡いだ。
「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)」
すると龍雅が創造したカタナが爆発。
近くにいた燐夜をも巻き込んで辺りを黒煙で包んだ。
龍雅は一瞬頬を緩めるが、またすぐに引き締める。
龍雅の起こした爆発を食らっても無傷であった燐夜。だが、最初の不意打ちでくらったダメージは大きいものでこうして力を込めているだけで痛みを感じる。
込めずとも力を行使している時点で体中に激痛が走っているのだが。
激痛の中でも意識は途切れることはなかった。
逆に鮮明と龍雅の行動一つ一つが見て取れた。
〔汝の願いを申せ。さすれば、その願いは叶えられるだろう〕
まただ。
またこの低い男性の声が頭に直接響くように聞こえる。
ずっと先ほどから響くこの声。
近くにあの宝石があるのだろうか。あの青い《ジュエルシード》が。
後になって思うと、この時の燐夜はただこの場から逃げることしか考えていなかったと思う。
龍雅の攻撃を甘んじて受けたのも、自ら攻撃しないのもそうだったに違いない。
だから、だからこそこんなことをしたのだろう。
「聞こえてるか、願いを言えば叶えてくれるんだろ」
〔そうだ、汝の場合は叶えられないこともあるが、それは一部だ〕
周りに聞こえない声量だと思っていたが、それはどうやら違ったらしく、しっかりなのはとフェイトたちの耳に届いていた。
「だめぇ―――ッ!! 願っちゃだめ!!」
「やめてっ! 燐夜、それに願ったら――――」
なのはの声は燐夜に聞き届けられず、フェイトの声は途中で遮られた。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ