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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第九話
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本当』
『いただけるものは全部いただくさ……あれ、そういや俺財布買ってないわ』
『ちょ、現金そのまま持ち歩くとかいくらなんでもかっこつかねえぞ旦那!ていうかあれから何日経ってんのよオイ!』
大爆笑するグロウルに白目を向けながら、とある小物店へと入っていった青年であった。そこに直人が偶然出くわす。
「っ!?……何や、今の妙な感じは……?」
彼自身はとあるバンドの助っ人としてこのフェスに参加することになったそうだ。
都心部から離れてはいるが、国際色豊かなこの町では多少顔つきや髪の色が変わっていても一々誰も気に留めはしない。特に髪の色などは染めればどうとでもなるので、それだけでは彼も気にはしなかっただろう。見た目が整っているのでチラチラと見られはするだろうが、しばらく歩けば記憶から消える程度だ。
だが彼が気に留めたのはその青年の見た目ではない。彼から漏れ出る魔力と、そこだけ空気が冷えているような異様な雰囲気だった。
「まさか魔導士か?やとすると、連中が派遣した調査隊の人間の可能性が……!?」
すぐさま直人は携帯を取り出すと写真を撮り、どこかへとメールを送る。
そことはまた別のエリアにて、翠屋が出張店舗の開店準備をしていた。本来の店舗は休ませて来たらしい。何故かアースラスタッフも何人かヘルプで来ていた。
「忙しいのにわざわざありがとうございます」
「いえいえ、クロノやエイミィがお世話になってますから、これくらいは」
そういって笑顔で高町家の手伝いをするのは、明緑の髪をなびかせる美人艦長、リンディ・ハラオウン。普段のスーツ姿はどこへやら、白のTシャツに迷彩柄の短パンの上から翠屋のエプロンというラフな格好である。クロノもなのはやフェイトたちと一緒に動き回っている。本来の業務はどうしたのか。
「本当はプレシアさんも来たかったらしいんですけど、まだ動けるほど体力が戻ってなくて」
「そうですか……早く元気になるといいんですけどね」
「ええ……あれ?誰かしら」
メールの着信を知らせるバイブレーション。リンディがメールを開くと、まるで血の気が引いたような表情をする。それを見た桃子が声をかけた。
「あら、どうかしたんですか?」
「え、ええ……すみませんが、ちょっと外しますね」
「ええ、どうぞ」
そして彼女たちと距離をとると、あわてた様子で直人に電話を入れる。
「もしもし、直人君!?」
『あ、艦長。さっきのメール……』
「見たわ。『彼』がいたのね?」
あせっている様子から、ただならない人間であることを察した直人は、自分の勘が間違ってなかったことを知る。
『ええ。もしかしてヤバい奴ですか?』
「……ええ、そうね。ただこちらから何もしない限りは無害
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