第三十二章 そして、誰も喋らない
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を封じるための策をとり、外部襲撃に援護できないように陥れる必要性がある。
まず考えられるのは、魔力の制圧。魔力の制圧の次は行動の制圧。
武力と行動力を制圧することにより、内部にいる人間をそのまま、人質とする事も出来る。
その場合、制圧を担当する少数精鋭は魔力を封じられた状況でも他者を圧倒できる武力が必要となる。それが、質量兵器か、何らかの方法で一方的に相手の魔力を封じる方法を取るはずである。
外部の制圧は内部よりも単純なはずだ。
質量で包囲すれば良い。
最善の選択肢は、質量とプラスして、極めて高い戦闘能力を持つ精鋭を用意することだ。
不測の事態に動ける戦闘要員がいれば襲撃が成功する公算が高くなる。
俺なら、そうするとミウラ・ケイタは思考した。
誤算が在るとすれば、敵は思った以上の質量と、思った以上の少数精鋭の戦闘要員と、思った以上の消耗戦を強いられたことだった。
付け加えて、最大のミスは敵の狙いを読み切れなかったことであった。
ジェイル・スカリエッティという狂人の考えを理解できるのは、ジェイル・スカリエッティ本人以外には存在しないのであった。
相手の、ジェイル・スカリエッティ一味の最優先事項が、まさか一人の少女を誘拐する事であったなど、誰にも予測できなかったのである。
リスクとリターンを度外視した相手の陽動作戦が全て理解できたのは、最愛の娘であるヴィヴィオを拐われてから後悔と無念の中でイヤという程、気付かされたのであった。
●
地上本部襲撃事件で最たる功労者を生み出したのは、機動六課のメンバー達である。
その中でも、最も過酷を強いられたのは、ミウラ・ケイタであったと言える。
事件後、確認された敵勢力の内戦闘機人の殆どをミウラ・ケイタ一人が相手にしたのだ。
総合管制ウーノ、現場指揮及び、後方支援のクアットロ、内部侵入作業員のセインを除く、実戦リーダーをトーレとした、チンク、セッテ、オットー、ノーヴェ、ディエチ、ウェンディ、ディードの8人と相対したのであった。
ミウラ・ケイタの人生の中で、トップ3に入る危機であった。
選択肢は時として人生を左右する。
しかし、幸運は人生を決める。
運が良かった。
早々に、内部から脱出した高町なのは率いる隊長格がミウラ・ケイタの元に駆けつけたことにより、ミウラ・ケイタは不敗のまま、しかしながら、重症を負った程度で済んだのだ。
戦略としては、相手の目的を達成されたが、戦術としては、地上本部及び、機動六課庁舎半壊で済んだことはミウラ・ケイタの戦術的勝利の結果であった。
●
戦略的敗北。
戦術的勝利。
配点:(盾として)
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