第5章 契約
第64話 勝利もたらす光輝
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更に、海の方向から漂って来る魚が腐ったような腐臭……。
その瞬間、ありったけの剪紙鬼兵符を上空よりばら撒く俺。
そして、その次の瞬間に地上に現れ、俺を見上げる二十人以上の分身たちに対して、
「海から上がって来るモノたちから住民を護ってくれ。住民に出来るだけ、被害を出さないように頼む」
そう命令を行う俺。流石に、あまりにも無関係な人間が殺され過ぎると、世界に与える歪みが大きく成り過ぎますから。
剪紙鬼兵は、俺のデッドコピー。しかし、故に元が俺ですから、例え彼らに魔法が使えなくても、それなりの剣士程度の能力は持っています。
その俺の命令を受け、三人の組みと成って行動を開始する剪紙鬼兵たち。
くぅ〜りゅ とりゅ〜 とぉおふ〜 うがふなぐるうぅぅぅ〜
更に続く口訣と導引。
その瞬間、俺の直ぐに脇に現れる俺の分身二体。
いや、この新たに現れた分身は先ほど登場した剪紙鬼兵たちとは違う。この新たに現れた分身たちは飛霊と言う存在。完全に俺の能力をコピーした存在で、彼らの経験はすべて俺にフィードバックされる便利な存在。
但し、彼らが受けた被害もすべて俺にフィードバックされて仕舞う為に、簡単に使って良い分身と言う訳では有りません。
そして、俺の顔を見つめる同じ顔がふたつ。そのふたつは軽く首肯いた後、それぞれが、ハルファスとサラマンダー一柱を連れて、別の場所へと飛び去って行く。
そう。彼らは俺自身。わざわざ何かを語らずとも、彼ら自身の為すべき事は理解して居ます。
るうぅぅぅ…… るるううぅぅぅ りぃぃえええぇ! いあ! いあ!
これで、現状で打てるだけの手は打った俺が、未だ燃え続けるガリア両用艦隊の物資を納めて有る倉庫群に視線を移す。
その視線の先に広がるのは、正に地獄絵図。未だ、大規模な爆発を繰り返す衝撃波が俺と、俺と共に有る少女を護る結界を打ち、鼓膜には、その爆発のすさまじさを物語る巨大な轟音を伝えて来て居た。
但し、
「ここの倉庫が爆発して、それでも尚この程度の被害で収まっていると言う事は、ノームと土地神が精霊力の暴走の阻止には成功したと言う事やな?」
巨大な赤い火柱が立ち上がるのを瞳に映しながら、自らの傍らに立つ紫の髪の毛を持つ少女に対して、そう問い掛ける俺。
当然のように、倉庫に納められていた風石や火石などの精霊石に溜めこまれた精霊力が暴走した結果の爆発ならば、この程度の爆発で収まるとは思えません。
流石に、ここはガリア両用艦隊の主要な港。ここに備蓄されている燃料や弾薬は、通常の港と比べるとケタが違うはずですから。
俺の問い掛けに、微かに首肯いて肯定と為す湖の乙女。
そして、
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