第5章 契約
第64話 勝利もたらす光輝
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イル。このハルケギニア世界の土の系統魔法で造られた魔法人形。土の系統魔法のゴーレムを造る魔法の上位魔法。確か、魔力が供給される限り自律行動。ある程度の判断を自分で下して行動出来る魔法による擬似生命体。
成るほど。対空戦闘要員と言う訳か。それに、飛竜の部隊が付き従っている訳ではない飛空船の艦隊ならば、防空戦力としてのガーゴイルを用意しているのは当然でしょう。
しかし、
「アガレス、サラマンダー、シルフ。周辺の精霊を完全に支配。系統魔法に介入して、すべて無効化」
禍々しい翼を広げてコチラに接近しつつあるドロ人形を瞳に映し、素早く、それぞれの式神たちに指令を下す俺。
アガレスは元々農耕神にして時間神。つまり、大地に根差した古き神。所詮、人間の土の系統魔法使いのなした魔法に介入する事など赤子の手を捻るようなもの。
それに続く二柱の式神たちに関しては更に問題なし。彼女らは、それぞれの小さな精霊たちを統べる存在。彼女らが存在している場所で人間の魔法使いが精霊を統べるには、彼女らと直接戦って、実力でねじ伏せられるだけの実力がなければ不可能。
そんな事が為せる人間は、俺が出会ったあのガリア両用艦隊勤務の軍人内には存在しては居ませんでした。
そして、最後に残った水の精霊に関しては、俺がわざわざ依頼などせずとも問題は有りません。
その一瞬後、俺たちを迎撃する為に飛び立ったガーゴイルが、元の土くれへと変わって地上へと落下して行く。
しかし……。
「シノブ。あのガーゴイルから、不自然なまでに巨大な炎の精霊力を感じます」
高貴なる炎の精霊。魔界の貴族風のサラマンダーがそう伝えて来る。
その言葉を聞いた湖の乙女が俺をその瞳に映し、そして微かに首肯いた。
成るほどね。あのガーゴイルたちが抱えて居るのが、火石だと言う事なのでしょう。
「サラマンダー。すべての炎の精霊を支配すれば、その巨大な精霊力を爆発させない事は可能やな?」
俺の問い掛けに、あっさり首肯いて答えるサラマンダー。
そして、
「造作も有りません」
……と答えた。
まして、仮にその火石を爆発させられたトコロで、此処に存在する仲間全員に、一度だけ全ての攻撃を跳ね返す仙術が掛けられて居る為に、ひとつの問題も有りませんから。
それならば、
「火石を抱えたガーゴイルを、ブレストの街の方向から追って来た飛竜に向けて放つと言う事は、あの艦隊は敵と考えて問題なし、と言う事か」
後方より接近しつつあるワイバーンに対して、スクランブル発進させたガーゴイルがあっさりと無効化された状況でも、未だ三重縦列陣で西に向かう艦隊を見つめながらそう独り言を呟く俺。
それに、これで覚悟を決めて、あの艦隊を攻撃出
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