第五十話
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のみで終わってしまう。
そして、空中へと飛んでいて動くことが出来ない俺に向けて、スカルリーパーは首を伸ばして俺の足に噛みついた。
「ぐ――――ッ!?」
それと共に俺の身体は、まるで自分の身体でないように動かなくなり――この症状は高レベルの《麻痺毒》だという結論に至る――背後から、特大の《恐怖の予測線》が迫ったいるのが解る。
しかし、解っていても避けることが出来ない攻撃は避けられないのが《恐怖の予測線》の弱点……俺は麻痺毒で動けない。
「――すまない、リズ」
必ず帰ると約束した彼女に脳内でそれぐらいを言う時間はあり、俺の足に噛みついたままのスカルリーパーを睨みつける。
「相変わらず、こんな無茶な戦い方しか出来なくてな……自分で喰らいな、スカルリーパー!」
その言葉と共に俺は全力で『しゃがむ』と、俺を狙っていたスカルリーパーの双鎌は、勢いあまって自身の弱点である顔面に突き刺さり、プレイヤーを一撃で葬り去る攻撃を皮肉にも自分で喰らうことになる。
スカルリーパーの双鎌が背後から届く前に何処からか『攻撃』が来た……いや、《恐怖の予測線》にも反応しない、とてもじゃないが攻撃とは言えない代物。
キリトが愛用する投剣スキル《シングルシュート》……投剣スキルとは言うものの、何でも投げられるそのスキルで俺に届けられたのは、解毒ポーション……!
スカルリーパーの背後で自らの攻撃を中断していたキリトに、言葉を出している余裕はないが感謝の気持ちをアイコンタクトで伝えると、最期の一撃を加える為に日本刀《銀ノ月》を振りかぶった。
場所は未だに空中だが、またもやスカルリーパーには皮肉にも、噛みつかれているおかげで俺の足元は安定している。
そして上半身の身体のバネを最大限活かす、零距離限定隙だらけの一撃必殺技――
「――斬撃術《朔望月》!」
大砲の弾のように撃ち出された日本刀《銀ノ月》は、易々とひび割れたスカルリーパーの頭を貫通し、そのHPゲージにトドメを刺す。
そして消え去った頭から徐々にポリゴン片となっていくと、最期は欠片一片たりとも遺さずにこの浮遊城から脱落していくのだった。
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