第五十話
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あっさりとヒースクリフとキリトとアスナ夫妻に封じられ、尻尾で攻撃しようにも尻尾は天井の方を向いていて床には届くことはない。
スカルリーパーはダメージディーラー部隊の総攻撃を、何も出来ずに何十撃も連続して喰らうことなったが……それにも限界があった。
スカルリーパーがその鎌でグリームアイズの大剣を切り取り、自分に枷られた拘束を解除したのだ。
依然として、胴体には大剣が刺さっているままだったが、自由を手にしたスカルリーパーは極大の雄叫びを響かせた。
「いかん……総員退避!」
珍しく、ヒースクリフの焦った声がダメージディーラー部隊全員に届いたが、逃げた先をスカルリーパーに追われたプレイヤーは……残念ながら、その鎌に切り裂かれてしまう。
そして駆け回るスカルリーパーは心なしか、こちらにいる俺とタンクプレイヤーたちを狙っているように思えてならない。
「散るぞ!」
タンク部隊の指揮をとっていたシュミットの指示で、タンクプレイヤーたちが三々五々壁際から別の場所に逃れていったのを確認すると、俺は逆にスカルリーパーの方へと向かっていった。
「ショウキ、何やってる!」
後退したエギルの声が背後から聞こえるが、俺はそのままスカルリーパーへと向かっていく。
キリトとアスナの奇策によって受けたダメージ、胴体を大剣で今もまだぶち抜かれたダメージ、ダメージディーラーたちから総攻撃を受けたダメージ……それらのダメージはスカルリーパーのHPを大きく削っており、もう少しで削りきれるほどだ。
ならば、これ以上の犠牲者が出る前にスカルリーパーを叩く……そう決意した俺は、胸で輝く《カミツレの髪飾り》を手に取った。
「ナイスな展開じゃないか……!」
俺自身を鼓舞する口癖と共に発動する、《恐怖の予測線》の影響によってクリアになっていく視界は、ある一点のみを見据えていた。
「見えてるぞ、スカルリーパー……」
クナイの乱れ投げ・グリームアイズの大剣による叩きつけ……今までに二度その場所に攻撃したが、当たったその時のスカルリーパーのHPの減少量が、明らかに大きすぎた。
「お前の、弱点が……!」
すなわち頭蓋骨。
二方向から乱舞のように放たれた鎌を、《恐怖の予測線》の導きに従って避けていき、日本刀《銀ノ月》を構えてその乱舞を突破した。
「刺突術……《矢張月》!」
一点突破においては俺の持つ技で最も威力のある技、刺突術《矢張月》をスカルリーパーの頭蓋骨の中心へと叩き込み、その骨にひびがピシピシという音をたてて波紋のように広がっていき――
――そこで、止まった。
「嘘、だろ……!」
刺突術《矢張月》はスカルリーパーのHPゲージを削りきるには至らず、頭蓋骨にひびを与えた
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