第五十話
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ないかもしれない。
そのヒースクリフの目論見はどうやら正しかったらしく、スカルリーパーが壁に登り始めた時に解放されたタンクプレイヤーたちは、命からがら助かっている者もいた。
しかしスカルリーパーは天井に登ってしまったため、奴の次なる攻撃は密集した場所への墜落攻撃……今ここでプレイヤーたちが最も密集しているのは、タンクプレイヤーたちの場所だ。
救助に向かえば自分も諸共に死ぬだろう……墜落攻撃で死ぬか、追撃の鎌で死ぬかぐらいの違いはあるだろうが。
「待ってろ……!」
それでも俺は、駆け出してタンクプレイヤーたちのところに行くと、天井にいるスカルリーパーのことを睨むように見据える。
「馬鹿野郎ショウキ、逃げろ!」
「断る!」
満身創痍ながらも、なんとか生き残ったエギルの怒声を軽くスルーすると、天井のスカルリーパーが俺たちのいる場所へと落ちてくる。
それを見届けた後に、俺は自分に出来る限りの速さでアイテムストレージを操作すると、とあるアイテムがこの場に現れた。
――そしてそれと同時に、スカルリーパーの胴体は巨大な剣によって貫かれていた。
「……狙い、通りだっ……!
俺が出したアイテムには特に名前はなく、ただただ巨大な大剣のようなものであり、それをなんとか俺が支えてスカルリーパーを貫いていた。
その大剣のようなものの正体は、第七十四層フロアボス《The Gleameyez》の使用していた、悪魔のように巨大な大剣の……中ほどから折れた物である。
あのボス戦の際に、俺が抜刀術《立待月》で叩き折った剣の残骸を回収した物ではあったが、俺とコーバッツたちを苦しめた『質量』と『切れ味』は健在であり、現に同じフロアボスであるスカルリーパーの胴体は貫かれていた。
「くっ……!」
だがそんなものを支えることが出来るはずもなく、あくまでもタンクプレイヤーが逃げるまでの数秒を稼ぐことしか出来やしない。
そう思っていたのだが、途端に大剣を支えていた両手が軽くなっていく……何故ならば、エギルを始めとする生き残ったタンクプレイヤーたちが、共に大剣を支えてくれていたからだ。
「お前だけにカッコつけさせやしないぜ……!」
エギルたちがこちらを笑顔で見てくれるが、その合計筋力値でもこの大剣を支えるには充分とは言えず、俺は全員に指示を出した。
「向こうに叩きつけるぞ!」
エギルたちのおかげで使えずとも振り下ろすことは可能になり、グリームアイズの大剣は俺の指示のもと解放され、スカルリーパーは顔面から床に叩きつけられた。
――そしてその地点にいるのは、ヒースクリフから指示を受け、回復と準備を整えたダメージディーラー部隊である。
スカルリーパーの両鎌は、
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