暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第五十話
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ズタズタにされ、耐えられなければ……ポリゴン片となることだろう。

「ヒースクリフ!」

 そしてこのままスカルリーパーの前面から離れなければ、俺もヒースクリフも同じ運命となってしまう。
そのことをヒースクリフが解っていない訳もなく、俺とヒースクリフは示し合わせてスカルリーパーの前から飛び退いた。

 俺たちの生命の危機が回避された代わりに、枷から解き放たれたスカルリーパーは部屋を縦横無尽に駆け回り始め、天井からの攻撃をするために壁を登り始めた。

「てぇぇぇい!」

 そこを同じように、壁を走って登っていくキリトとアスナがスカルリーパーに一太刀浴びせて床に着地すると、スカルリーパーはキリトとアスナを追撃しようとする。

「今!」

 そこをアスナの号令の下、攻撃部隊のプレイヤーが放った大量の投げナイフなどがスカルリーパーに飛んでいき、キリトとアスナの追撃のために無理な態勢を取っていたスカルリーパーは壁から床に落ちていった。

 天井からの攻撃を未然に防ぎなおかつ攻撃チャンスを作るという、あの夫婦の見事な手並みに感心している余裕もなく、プレイヤーたちはこぞって倒れたスカルリーパーに向かっていった。

 だが敵もただやられるわけではなく、その長い骨で作られた尻尾がプレイヤーたちに振るわれたが、それはヒースクリフが単独で受け止める。

「うおおおおっ!」

 まさに千載一遇のチャンスに、尻尾をあしらっているヒースクリフを除いた、全プレイヤーが総攻撃をしかけていく。

 ……その時間が永遠に続けば良かったものの、そんなことはなく、幾ばくかの時間の後にスカルリーパーは起き上がり、雄叫びを上げて中断していた大移動を再開する。

 そのいきなりの大技に、軽量装備のダメージディーラーたちは反応して距離をとったものの、今まさに大技を放とうとしていたタンクプレイヤー――例えばエギル――は、成す術もなく大移動に巻き込まれていく。

「止まれぇぇぇぇ!」

 巻き込まれたタンクプレイヤーの全滅――直面した現実に届くはずもない叫びを上げ、無駄だと解っていながらクナイを乱れ投げし、スカルリーパーにダメージを与えようとする。

 無論、そんなもので怯む相手ではなかったが、俺のその横で的確な指示を出す者がいた。

「巻き込まれた諸君、回復したまえ!」

 ヒースクリフの言葉が届いたタンクプレイヤーたちは、足に巻き込まれながら自分の懐を探しだす。
偵察隊が確認済みのことだが、この場はもちろん《結晶無効化空間》であり、簡単にHPを満タンに出来る《回復結晶》は使えない。

 だが先程、俺も使った通りポーションならば使えるので、ダメージを受ける時にポーションを飲んで回復していけば、大ダメージは免れないだろうが死にはし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ