第五十話
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ルリーパーが一際雄叫びを上げると、ダンジョン中を駆け回るために移動を開始する。
そのことを聞いてはいたが対応することは出来ず、スカルリーパーは走りだすと共にその双鎌の攻撃が激しくなっていく。
それでもまだ、耐えられないことは無かったのだが。
「うわああああっ!」
少し離れた場所で、ポリゴン片が砕けたような音に惑わされて手元が少し狂ってしまい、とてもではないが第二波を受けられる状況ではなくなってしまう。
「……《縮地》っ!」
鎌が俺に振られる前に高速で側面に移動すると、前への移動を邪魔していた俺がいなくなったスカルリーパーは、壁に向かって歩いていき天井へと登っていく。
そのまま天井をかさかさと移動していたが、狙いすましたかのようにプレイヤーたちが密集している場所に足の剣を輝かせて墜落していく。
「ボスの影から離れろ!」
攻略組の部隊とは違うところにいた俺には警告する余裕があったものの、その影の中心地にいるプレイヤーなどは間に合うはずもなく、器用にも空中で一回転したスカルリーパーの足に貫かれてしまう。
そして天井から大質量の物が落ちてきた故の摂理によって、かなりの衝撃波が床に足を取られているプレイヤーたちの動きを奪い、そこをスカルリーパーの本命である鎌の攻撃が無慈悲にもプレイヤーを切り裂いた。
……いや、標的にされたプレイヤーの前に、一人の赤い鎧を纏ったプレイヤーが立ちはだかった。
スカルリーパーからの攻撃に対する防御という、俺と同じ役割を持ったプレイヤーである《聖騎士》ヒースクリフの十字盾が、鎌を防いだのだった。
変わらず態勢が整えられていないプレイヤーを狙う、もう片方の鎌を、距離が離れていたおかげで早く動けるようになった俺が斬り払う。
「ショウキ君、右は頼む」
「ああ!」
ヒースクリフの問いに答えだけでも強気に返すと、振るわれ続ける右の鎌を受け流し、少しだけでもダメージを与えられるようにクナイを投げる。
しかし、HPゲージが1ドットすら減らないのを見て、無駄なことを悟って投げるのを止める。
俺にはやはり斬り払いを行うことしか出来ず、攻撃は全てキリトたちに任せるしかないのだと再認識すると、受け流す衝撃で削れてしまっているHPの為にポーションを口に投げ入れる。
攻撃部隊も全員先程の状態に戻ることが出来たようだが、スカルリーパーは一カ所に止まるのを良しとしないのか、またもや雄叫びをあげた。
「総員、離れろ!」
大移動の合図となるスカルリーパーの雄叫びに対し、ヒースクリフの指示が全員に飛ぶが……手足の一部でも当たってしまった者は、スカルリーパーの足に巻き込まれてしまう。
助けるのが遅れてしまえば、巻き込まれてしまった者はその剣のような足に
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