第五十話
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になってしまった。
しばしの間ボスの到着を待つと、天井から人間とは比べられない大型の影が飛来して来て、俺たちの前にその姿を現した。
《The Skullreaper》――骸骨の狩り手を名乗るフロアボスモンスターは、コーバッツたちが遺してくれた情報の通りの姿で、骨の鎌を構えながら俺たちを威圧した。
「来るぞ!」
ヒースクリフの号令と共に、比較的スカルリーパーの近くにいたタンクプレイヤーが狙われるが、コーバッツたちの情報通りならば、あの鎌にはタンクプレイヤーの防御でも削り取る威力を秘めているという。
狙われたタンクプレイヤーは、大きく仰け反りながらも鎌を切り裂くと、自身の背後を見て叫んだ。
「「スイッチ!」
タンクプレイヤーとスイッチして俺がスカルリーパーの前に出ると、標的に俺が移ったのか俺に鎌が振り下ろされるが、斬り払いならば俺の専門分野だ。
容易くスカルリーパーの鎌を弾くと、第二波の攻撃に備えて日本刀《銀ノ月》を構えた。
「さあ、来いよ……!」
アインクラッドに来る前に鍛えていた、俺の普段の斬り払いと見切りが功を労し、フロアボスの攻撃でも斬り払い・回避は出来るというのは、グリームアイズ戦で証明済みだ。
左の鎌を重心を傾けるだけという最小限の動きで回避し、右の鎌は日本刀《銀ノ月》で斬り払い横に受け流す。
《恐怖の予測線》を使うまでもなく、まだ余裕を持ちながら攻撃を回避出来る理由はキリトにある。
つい数時間前に行ったキリトとのデュエルでの、彼の《二刀流》に比べれば止まっているも同然なのだから――!
「ショウキ、大丈夫か!?」
「……見ての通りだ! 攻撃は頼む!」
キリトからの俺を心配する言葉が響くが、それに俺はスカルリーパーから意識を離さずに応え、キリトたちに直接攻撃を任せる。
攻撃には参加出来ないが、このスカルリーパーの足止めが俺のこのボス戦での役割だ。
キリトとのデュエルで二刀を相手にし、偵察隊が敗れてからの一週間で修練は充分。
「っしゃあ行くぜ!」
顔を見なくてもクラインと解る声が耳に届き、攻略組が側面を足下へと攻撃のために殺到していく……何せ大きいのだ、攻撃をするところに困ることはない。
スカルリーパーの足はその一本一本が剣という性質を持っているらしいが、タンクプレイヤーにとってそれぐらいならば大したことはなく、通常のモンスターを相手にしているのと変わらない。
情報アドバンテージというコーバッツたちが遺してくれたものの存在は大きく、それさえあればこのように、スカルリーパーに対抗するための戦術が取れるのだから。
……だが、それだけで勝てるほど一筋縄で行けない相手だということも、また確かなことであった。
……スカ
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