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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第13話 元βテスターの真実
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 背後で噴水の縁に立ったままのディアベルが もうすっかりと様になった仕草で両手を持ち上げた。キバオウは、振り返る事なく、憎々しげに吐き捨てる。

「決まっとるやろ! ナイトはんもよぉわかっとんのと違うんか?」

 そう言うと同時に、ディアベルの方をチラリと見た。
 ディアベルは勿論、低くざわついていた約40人の聴衆の皆は、理解した様だ。キバオウが何を言わんとしているのかを。

「ッ………。」

 そして、それは勿論、キリトも同様にだった。NPCが奏でる夕暮のBGMだけが静かに流れるこの場。普段であれば、街と言う場所に相応しいBGMであり、夕暮ともなれば、穏やかに、一日の終わりを連想させる音楽が流れ出て、少なからず精神を和やかにさせてくれるのだが……、この場の空気は更に重く、沈みかかった。

「キバオウさん……。貴方が言っている奴らというのは……もしかして、元βテスターだった人たちの事……かな?」

 十中八九、九分九厘、間違いは無いだろう。だが、それでも、キバオウの口から訊く為、確認するようにディアベルが聞いていた。その表情は先ほどよりも厳しい。

「決まってるや無いか!」

 キバオウは、背後の騎士を一瞥してから続けた。

「β上がりどもは、こんクソゲームが始まったその時に、初心者(ビギナー)を見捨てて消えよった! 右も左も分らん9000人以上の初心者(ビギナー)を見捨てて、な! それに奴らは、旨い狩場やら、ボロいクエストを独り占めにして自分らだけ、ポンポン強ぉなって その後もずーっとしらんぷりや!」

 そう言うと、再び周囲に睨みを利かせた。

「こん中にもおるはずやで! β上がりの奴らが! そいつらに土下座さして! 溜め込んだアイテムや金をこん作戦の為に軒並みはきだしてもらわな! パーティメンバーとして! 命は預けられんし! 預かれん! そう言いたいんや!」

 仁王立ちをするかのように、最後にそう周りにはき捨てた。 まさに名前のとおり、牙のひと噛みにも似た糾弾と言えるだろう。 が、勿論。というか間違いなく、名乗り出る者は皆無だった。誰ひとりとして、黙して語らずだ。
 キバオウが思っている事、吐き出した言葉。実際にそう思っているプレイヤーは必ずいるだろう。それが、ネットゲーム経験者ならば、なおさらの事だ。自分達がレベルをあげるのに時間が掛かっているのに、別の奴ら……元テスターは簡単に上げている。

 簡単に言えば嫉妬の念が強い。

 従来なら、それだけの事なのだが、今回は死人が大勢でているのだ。……つまりはこのキバオウと言う男は初心者ビギナーの気持ちを代弁するように言い、そして仲間につけ、尚且つ、その経験者達の貴重なアイテムもあわよくば手に入れようとしている。それは狡猾かつ、利己
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