第十六話「過激なこの世界」
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「近くに……そうだわ! こうなったら編入生を誘ってみるわよリシャルト! ひょっとしたら掘り出しものかもしれないし!」
「そうくるかぁ」
意外と天然なクレアさんだ。
「そ、そうですわね……。でも、もっといいメンバーが近くにいるかもしれませんわよ?」
しかし、さっきからチラッチラッとこちらを窺ってくるリンスレット。このまま無視するのはいささか良心が咎めた。
ソワソワと落ち着きのないリンスレットに聞かれないように、今にも走り出しそうなクレアに耳打ちした。
「リンスレットをメンバーに誘うことはできないのか?」
「ふわっ……!」
「……ふわ?」
突然、耳を朱くして奇声を洩らすお嬢様。その様子を怪訝に思いながら言葉を続けた。
「それでどうなんだ?」
「きゅ、急に耳元で囁かないでよ……その要望は聞けないわ」
「なぜ? 戦力としては期待できると思うが」
「……あいつの実力はあたしだって認めてるわよ。でも無理よ。あんたもこの間の決闘のことは覚えてるでしょう。独断専行まっしぐらのリンスレットとどうやって連携を取れって言うのよ」
即答するクレアに問い質すと、直情的な彼女にしては至極まっとうな答えが返ってきた。
「それに、リンスレットはあんたのことを、その……」
ごにょごにょと言葉を濁す彼女の雰囲気に流され口を閉ざした。
クレアの言も一理ある。しかし、だからといってこちらから歩み寄らないというのはおかしな話だと俺は思う。向こうが独断専行するのなら、こちらが臨機応変に合わせればいい話なのだ。
なんとかクレアを説得しようと試みる、が。
「な、なにを二人で内緒話をしてるんですの……?」
毛先をクルクルと弄りながら忙しなくチラチラと視線を寄越すリンスレット。話題の本人の様子があまりにもアレなものだった……。
視線で再度問うと、さすがのクレアも根を上げたのか溜め息とともに了承した。
「わかったわよ、まったくもう……聞くだけ聞くわ」
「助かる」
「……一つだけ聞くけど、リシャルトってもしかして……リンスレットが気になったり、する?」
小さく囁くような声で呟く彼女に首を傾げ、即答した。
「もちろんだ。戦力として期待できるだろう」
「いや、そういうことじゃなくて……ああっ、もういいわ!」
「――?」
何故か憤るクレア。……なにかいけなかったのだろうか?
「ねえ、リンスレット」
「な、なんですのクレア・ルージュ」
「あんた……ひょっとして、あたしのチー
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