第二幕その六
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第二幕その六
「だからよ。けれど彼はね」
「確かに男前よね」
「惚れ惚れする位にね」
「実際にさ」
今度は鼠が出て来て言う。
「この人南の方じゃ凄い男前で通ってるんだよ」
「へえ、そうだったの」
「確かにいい顔と毛並みだけれど」
「スタイルもね」
容姿は折り紙付きである。これは誰もが認めるところだった。
「いい感じだしね」
「それじゃあ」
「けれどね。幾ら何でも会ってすぐは」
「どうかしら」
このことをまた言い合う森の住人達だった。
「ねえ。それでも」
「すぐっていうのは」
「だから運命よ」
あくまでそうだと主張するビストロウシカだった。
「これは運命なのよ」
「運命ね」
「じゃああんたやっぱり」
「結婚するわ」
ここで彼女も宣言したのだった。
「もう決めたわ」
「本当だね」
ズトラシュビーテクはそれを聞いて笑顔になった。
「それでいいんだね」
「ええ、決めたわ」
また言う彼女だった。
「本当にね」
「よし、それじゃあ」
「ええ、二人で」
「式を挙げよう」
笑って話す彼等だった。
「それで一緒に」
「なりましょう」
「おやおや、本当に結婚するんだ」
「これはまた」
「まあいいか」
驚き呆れるところもあったがそれでも受け入れることにした彼等だった。
「じゃあ早速」
「結婚式だな」
「それでいいかな」
「起きていてよかったよ」
「全く」
わざわざ起きてきてこんなことを言う彼等もいた。
「じゃあ早速」
「いいかな、二人共」
「それで」
こうして皆出て来て彼等を囲む。そうしてだった。
「さあ、それじゃあ」
「式をね」
「歌って踊って」
「楽しく過ごして」
「御馳走も食べて」
それぞれ言ってだった。それぞれ食べ物も持って来た。
きつつき達も出て来てだ。森の皆に話す。
「さあ皆さん、祝い事ですよ」
「何とあのビストロウシカが結婚ですよ」
「あのは余計よ」
こうは言っても顔は笑っている。そのうえで自分の上の木にいる彼等を見るのだった。
「あの、はね」
「けれど祝うから」
「それはいいよね」
「有り難う」
そのことには素直に礼を述べるのだった。
「それはね」
「じゃあそれで」
「皆で」
今度は熊も出て来たのだった。
「さあ踊ろうよ」
「皆でね」
「楽しく」
「おめでとう、ビストロウシカ」
兎達が二人を囲んで踊りはじめる。
「おめでとうストラシュビーテク」
「これからも仲良くね」
「末永くね」
こう告げて二人を祝うのだった。ビストロウシカ達は今幸せの中に包まれていた。
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