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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第7話 『親心子心』
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た。
私は――状況が分からなかった。
混乱しているわけではない、ただ…嬉しかった、本当に嬉しくて――目の前が霞むと同時に、涙が1滴だけ、零れ落ちた。
「…今、どこに居る?」
私は、娘に泣いていることが分からないように――できるだけいつも通りに答えた。誤魔化せたかどうかは、自信が無かった。
「…お母さんのお墓がある、集合墓地です」
「――集合墓地を抜けたらその近くに、カフェがあるだろう…そこで、待ってなさい」
「えっ?」
私の返答が予想外だったのか、驚くシャルロット。
「丁度仕事が終わったところだ…迎えに行くから、待っていなさい――最近は、物騒だからね」
「あ、あの――」
そのまま私は「それではな」と言うと一方的に電話を切った。
そのまま会話を続けていたらきっと、シャルロットの前で泣いてしまいそうだったから。
私は先程電話を切った自分に対して『本当に不器用な男だな、私は』と思った。
もっと、気の利いたいい方は無かっただろうか?――まったく…
私は急ぎ準備をすると秘書に『出かけてくる』とだけ言って出かけた。
何故か秘書は嬉しそうだった――何故だろうか。
車で出るときにガードマンに『娘を迎えに言ってくる』と言うと『お気をつけて、帰りをお待ちしています!』と笑顔で敬礼された、何故だろうか。
だが、そんな不器用な私でも――わかることはあった。
きっと何かが変わる、いい方向に何かが――そう考えると、私は星空を見上げた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
暫くして、私は集合墓地の近くにあるカフェの駐車場に車を止めた。
そして恐らくシャルロットは中に居るだろうと思い、歩き出そうとすると――店の前に、娘の姿があった。
「…お父さん」
最初に口を開いたのは、シャルロットだった。 複雑に表情に無理に笑顔を浮かべたような表情――そういえば『コレット』もよく似たような表情を浮かべていた。
「…中で待っていればよかったものを、寒かっただろう――シャルロット」
「い、いえ――そんな事はありません」
親子なのに敬語、というのは私自身――やはり嫌だった。
とはいっても、私がそうさせてしまったのだ…責任は私にある
「車に乗りなさい、家まで帰ることにしよう」
シャルロットを助手席に乗せると、私は車を出して帰路を車で走る。
「…それで、話というのは――何なんだ?」
「大事な話です、とても大事な――あの、お父さん――」
「なんだ」
運転する私を見ながら、シャルロットは――
「お父さん、僕の――『わがまま』を許してくれますか・・・」
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