第九話 届かない思い
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れを捌くことで手一杯になってしまう。
ここまではさっきと全く変わらない行動だ。そう、ここまでは……。
「人間ってのは学習するから強くなれるんだよな」
何発か攻撃を流した後、両手に持つ権を剣を同時に佐倉の剣に叩きつける。
「楽しく一人で……飛んで来い!」
そう言いながら動きの止まった佐倉を蹴り飛ばす。あいつも地面を転がりながら上手く起き上がろうとしている。が……
「悪いが、ゲームセットだ」
「……!」
そう言いながら剣をあいつの首元近くの地面に突き付け動きを止める。
「普通だったら避けられただろうな、お前の身体能力なら」
「……何が、……言いたいんだ?」
独り言のように佐倉の方を見ずに話していた俺に佐倉が反応する。
ここまで言ったら俺が何かしたというのは分かっているだろうが……。
「種明かしをしたマジックほど淡泊なものはないだろ? 精々、次にあった時までに攻略できるように頑張っといてくれ」
そう言いながら肝心なところはぼかしておく。
種明かしをすると、無理やり違う魔力を打ち込まれたせいで一時的に体がクラッシュしているだけだが、擬似的な拘束術程度には使える。
「ま、その体じゃ、もう戦闘は続けられないだろ」
『put out.』
俺がそう言うとほぼ同時にレイジングハートからジュエルシードが出される。
テスタロッサはちゃんと高町に勝てたようだ……。
「レイジングハート! 何を!?」
「きっと、主人思いのいい子なんだ」
テスタロッサがそう言いながら出されたジュエルシードを手に取る。
さっきまでの騒がしさが嘘のような静けさが、この場を包み込んでいる。
「帰ろう。二人とも」
「さっすが私のご主人様。じゃあね〜、オチビちゃん」
「じゃあ、また会おう」
テスタロッサ達がそう言うと同時に俺は佐倉に向かって、そう言いながらその場を去る。
「待って!」
その場を去ろうとした俺たち、というよりテスタロッサに対して高町が声をかける。
「できるなら、私達の前にもう現れないで。もし次あったら、今度はもう、止められないかもしれない」
だがその高町に対してテスタロッサが発したのは、他人が聞けば”もう関わるなという”冷たい言葉。
一応、俺たちにはこれがテスタロッサなりの優したということは解るが……。
「名前……あなたの名前は?」
それでも、突き放されても尚話を続ける高町。
今のがテスタロッサなりの優しさだとしたら、これも彼女なりの優しさなのだろう。
「フェイト。フェイト・テスタロッサ」
「あの……私は……」
テスタロッサは自分の名前だけを言うと高町の話の続きを聞かずに、そのまま
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