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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第4話 『触れ合う心』
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きだった。
「それと、うちの母さんが好きだったんだ――アネモネって花」
「…そっか、綺麗な花――だよね」
「ああ、そうだな――」
気を使ってくれたのか、そこで言葉を切ったアリアは無言で俺の左手を握った。
そんな小さな気遣いが、俺には――凄く有難く思えた。きっとこれ以上昔の話をしてしまうと、彼女の前で泣いてしまいそうだったから。
そんなやり取りが、少し前にあった。
車を走らせて暫く目的の集合墓地に着いた。
車を近くの駐車場に停めると、アリアと共に車を降りる。
俺は右手に白のアネモネの花束を持つと、墓地の中へと歩き出した。
そして――少し歩いて、目的の場所に着いた。
「…これが、ユウの両親のお墓?」
「ああ、ここが――そうだよ」
目の前の墓には、自身の両親の名前――月代久人とアリス・ルノーの名前が刻まれていた。
「ただいま、父さん、母さん――今年も来たよ」
墓の前でそう呟くと、俺は持ってきていた花束を添える。
「ごめん、今年は危うく来るの忘れるところだったよ――色んな事があってさ、それで、これからもっと大変なことになって、もしかしたらこれまでみたいに毎年これなくなる可能性もあるんだ」
目の前が――いや、目が熱くなって、視界がぼやけそうになる。
だけど俺は、それを堪えて
「…ユウ」
心配そうにアリアが声を掛けてくるが、「大丈夫」と言って無理にまた笑顔を作る。
「だからさ、来れなくなるかもしれないけど――でも俺、頑張るからさ。エディさんも元気だし、今も『夢』に向かって頑張ってるよ――色々やることはできたけど、でも…俺は元気だから」
辛くて、後悔が押し寄せてきて、泣きそうになるのを堪えて……俺は続けた
「色んな報告があるんだ、ほら、小さい頃によく遊んだアレックスがさ、結婚して、子供ができてさ――メールで子供の写真送付しては自慢して来るんだぜ?まったく、親馬鹿だよなアイツ」
「ユウ…」
「あの気が強かったリニスが、今じゃ保育士だぜ?よく勤務先の前通ると、アイツ――昔の気が強かったリニスじゃなくて、子供達に笑顔で楽しそうに接してるんだ、人って、変わるよな」
「やめて…」
「それからさ、俺は――俺は、何一つ変われてないよ。ハハ――『夢』は諦めてないけど、まるであの時から時間が止まったみたいで――」
「もうやめて、ユウッ!」
後ろに居て、墓前で俺が話すのを見ていたアリアがいきなり大きな声を上げた。
「アリ、ア――?」
いきなり大声を上げた彼女に驚く。どうしたのだろうか?
「今のユウを見てると――辛くなるよ、私も…私もパパとママを失ったから、だからその辛さは分かるよ――でも、今のユウは、私が言える事じゃないのかも
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