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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第2話 『紅の姫君』
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もいいか?」

俺はずっと気になっていたことを聞いてみることにした、まあ――答えてくれるかはわからなかったが。

「うん?なぁにお兄さん。私今凄く気分がいいから――大抵の事は答えちゃうよ?あ、私のスリーサイズ?えっとね――」
「違う、ふざけた事じゃないさ。なぁ、どうして君は――『殺し合いをしてるのに笑っているんだ?』あの黒服たちを殺した時もそうだ、ずっとずっと君は――笑っている」

すると少女は首をかしげて不思議そうな顔をすると

「何で?だって――私を殺して(満たして)くれるかもしれないんだよ? 結果的に今までは誰も私をそうしてくれなかった。でも、そう期待すると楽しくならない?でも、今まではダメだったけどお兄さんとその子なら――私を満たしてくれる! 殺してくれる!」

狂っている――ネジが飛んでいるというレベルの話ではない。完全に彼女は、どこか壊れている。


  ――それは、お前だってそうだろう? 月代 悠。 お前だって壊れている



どこからか聞こえてきた自分を嘲笑うような声を俺は否定する――違う、俺は…間違ってなんか居ないッ!


「そんなの、そんなの間違ってるッ!――楽しいもんか!自分が死ぬのも、誰かが死ぬのも冗談じゃないって思うから、人は戦う。生きるために戦うんだ! そんなの…殺し合いを心から『楽しい』なんて思ってしまったらそれはもう人じゃない! ただの殺戮マシーンだ!」

すると彼女は笑顔をやめて、どこか切なそうな顔をすると
「そう、だよね――お兄さんには理解してもらえない。誰もわかんないよ、私のキモチなんて――でも、今日でおしまい。お兄さんが私を殺してくれるから、私を満たしてくれるから――」

俺は、彼女を見て思った。もし『あの事件』の後、俺も心が壊れていたら――彼女のようになっていたのではないのかと。

だから、彼女はある意味では映し鏡だ――IFの世界の俺自身だ、そう思った。

――そうだよ、それは間違いだ。だから、俺はそれが間違いだと思うから、だから俺はッ!

「だったら――」
「うん?」

「だったら、俺が君を止めてやる!俺だって、人を殺すことしかできない――けど、人の持つ「可能性」って物を信じたいから、だから――君を止めてやる!」

――そうだ、それでいい

――人間だけが神を持つ。「可能性」という名の力を。理不尽な現実と、未来を切り開く「可能性」という名前の力を――!



「――私は、お兄さんを殺すよ?だって――殺す気でいかないと、きっとお兄さんは私を殺してくれないから――そんな殺し合いの状況じゃ、きっと今の言葉は吐けないよ?」
「吐けるさ。俺は現実主義者だけどさ……少なくとも俺は自分を見失わない、『それでも』と言い続けてやるさ」

だか
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