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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
プロローグ
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例えようのない喪失感と辛さ。
それを味わいながらも、自分の空を愛する心だけは失われなかった。

――『空を護りたい、大人になったら空を護りたい』

それが唯一残った両親との繋がりであり約束であったから。
だから失わなかったし、無くそうとしなかった。
だが、それ故に――その気持ちと想いは歪んでしまったんじゃないかと、自分のどこかで思う。

皮肉にも、俺はその後軍属――フランス軍の空軍士官学校へと進学し、首席で卒業。戦闘機のパイロットとなる。
だが、ISの登場によって『女尊男卑』の社会へと変わり、ISの登場によって不必要とされてしまった男性という生き物は、かつてエースと呼ばれたパイロットは、必要なくなってしまった。

それでも俺は構わないと思っていた。
どんな形であれ、空を護れるのだ。空を飛ぶことが出来るのだ、空を見ることが出来るのだ――周りの人間からは物好きだと言われたが、それでいいと思った。

――しかし運命とは残酷である。一度歪んだ自分の心は、更に変わっていくことになる。

全ての始まり、それは彼が担当したとある物の護送任務だった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


それは、いきなり来た話だった。
朝、自分の身元引受人であり保護者のある人物――正確には、俺の上司に当たるから上官の大佐から来た話だった。

「護送任務?」

「あぁ、そうだ」

朝食のトーストを齧りながら俺は疑問を漏らしていた。
基本朝食は俺が作っている。今俺が暮らす家には自分と保護者である『彼』の二人で、家事は分業してやっている。
食事は互いに余裕のあるときにどちらかが作る、という事にしているが……基本的に朝は色んな理由から俺が作ることになっている。

「護送任務って言うけど――聞くけど、何の?エディさんが話を持ってくるって事は何かしら重要な物なんじゃないんですか?」

『ルヴェル・エディ』。
フランス軍部でこの名前を出すと知らない人間は居ないだろうというほど有名な名前の人物だ。

曰く、戦闘機でISに勝利した男。曰く、この人が戦場に出るだけで戦況が好転する――まさに英雄と呼ばれる人物。そして、俺自身の保護者であり、養父でもある。

その名声はISが登場してからもほぼ衰えず、自国軍部や他国軍部からは<疾風の戦鬼>と呼ばれるほどの人物だ。

自分自身、この人に引き取られてからずっと一緒に暮らしているが――普段の生活を見るだけでは、この人が<戦鬼>などというのはありえないと思う。
温厚にして常に柔和で人当たりのいい笑顔を他人に対して向けており、普段の生活からは絶対にそんなバケモノだとは思えない。

だけど俺は
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